たらの芽―たらの木の新芽、優しい味で食べやすい山菜です!

たらの芽 山菜
たらの芽

たらの芽とは

たらの芽 手に持っている
たらの芽 手に持っている

たらの芽とは、ウコギ科タラノメ属に属する植物の新芽です。一般に山菜扱いされます。端的にいうと、楤(たら)の木の新芽です。一般には春の山菜扱いされる事が多いですが、栽培物は12月頃から出回ります。「タランボ」と呼ばれる事もあります。

「山菜の王様」の呼び名もあるほど、好んで食べる方も多い山菜ですが、第二次世界大戦後の山菜ブームの時には乱獲されてしまい、楤の木が全滅してしまった地域もあります。

しかしその後、昭和40年代に入って、栽培化が始まるなど、今でも親しむ事が出来る山菜です。現在一般に出回るものは、天然ものよりも栽培品が多くなっています。

天ぷら、和え物、汁の具、煮びたしなど、多くの料理方法と相性が良いのも特徴です。

良品の見分け方

※ここに挙げた特徴を持つたらの芽を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

※芽が伸びすぎている(育ちすぎている)ものは、苦みやえぐみが強いものが多いので、避けた方が良い事が多いです。

・芽の先が少し開き、ふっくらしているもの

・緑色が鮮やかなもの

コラム―男たらと女たら

たらの芽はトゲの多さで、「男たら」と「女たら」に分けられる事があります。トゲが少ない方が、女たらと呼ばれます。市場に出回る栽培品のほとんどは、女たらと呼ばれるものです。

女たらは苦みが弱いのが特徴、天然の男たらは香りや歯ごたえが良いのが特徴です。幸運にも天然の男たらが手に入ったら、女たらと食べ比べてみるのも良いかもしれません。

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保存方法

冷蔵の場合

新聞紙などに包み、穴を開けた保存袋に入れて保存します。なるべく2~3日で食べ切ってください。

冷凍の場合

固めに塩茹でし、水にさらしてアクを抜いてください。その後、水気を拭き取り、小分けにして冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存してください。

栄養素

山菜の中には、アク抜きをする際に、多量の栄養素が流失してしまい、栄養補給という面では期待が持てないものもあります。しかし、たらの芽はアク抜きなどの下処理をしても、一定以上の栄養素が残る場合が多いです。

以下で解説する栄養素について、有効な補給源になり得る可能性があります。

β-カロテン

体内でビタミンAに変換されます。抗酸化作用があり、がんや動脈硬化などの予防に期待が持てます。皮膚や粘膜の健康維持にも欠かせません。

またビタミンAは、目の健康にも強く関わります。不足すると、夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。

ビタミンE

その強力な抗酸化作用から、「老化抑制ビタミン」の呼び名もあります。がんや動脈硬化などの予防、脳の老化を防ぐなどの効果があります。

血液の循環を良くし、冷え性や肩こりを改善する他、新陳代謝を促し肌に潤いを与える、その他にも生殖機能の維持に関わります。

葉酸

ビタミンB₁₂とともに、赤血球の生成を助けるので、不足すると悪性貧血を引き起こしてしまう事があります。細胞分裂を助けるので、妊娠している方には欠かせない栄養素です。

近年、葉酸の摂取により、認知症や脳梗塞を防ぐ可能性も指摘されています。

カリウム

体内の細胞の浸透圧を維持するのに関わるミネラルです。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれる事から、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。

またカリウムは、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。

その他

たらの芽は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を良く含むので、血糖値やコレステロール値の上昇を防ぐ他、大腸がんや便秘の防止にも役立つ可能性があります。

そして、苦み成分エラサイドにも、血糖値の上昇を抑え、糖尿病になりにくくする可能性が指摘されています。

健康への効果

たらの芽を適度に食べる事で、以下の健康効果を得られる可能性があります。

・老化の抑制

・動脈硬化の予防

・血行促進

・整腸作用

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たらの芽のおひたし―下処理の仕方も紹介しています

たらの芽 茹でているところ
たらの芽 茹でているところ

前置き

齋藤瞬のチャレンジクッキング!という事で、今回は「たらの芽のおひたし」を作りたいと思います。

下処理の仕方も大変簡単なので、軽い気持ちで読んでみてください。

下処理の仕方

根元の固い部分を切る

市販されている栽培品の場合、根元はすでに切ってくれている事もあります。その場合、この手順を省く事が出来ます。

はかまを取り除く

はかま自体は簡単に取れますが、はかまのトゲが指などに刺さり、痛い思いをする可能性がある事には気をつけてください。

工程

鍋などに湯を沸かし、塩を少し入れる

湯の量や茹でるたらの芽の量にもよりますが、塩は小さじ1以下でも十分な事が多いです。

2~3分茹でる

市販されているものの場合、2~3分茹でるだけで、水にさらす必要なくアクを抜ける場合も多いです。

茹で上がったら、冷ます

短い時間で冷める事もあります。しかし、天然もの(男たらならなおさら)の場合は、少しの間水につけておくのも良いです。

試食と感想

たらの芽のおひたし 左は味噌マヨ
たらの芽のおひたし 左は味噌マヨ

今回は味噌マヨネーズをつけて食べてみました。味噌マヨの味の濃さに負けず、たらの芽のほのかな苦みが生きていて、大変美味しくいただく事が出来ました。

ちなみにたらの芽に味噌マヨをつけずに食べてみたところ、まるで「マイルドになって食べやすくなったふきのとうみたいな味」を感じました。山菜にもそれぞれ個性がありますね。

参考文献

・青葉高著 株式会社八坂書房発行「日本の野菜文化史事典(初版)」2013年9月25日 459~461頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 112頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 79、84頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 29、239~264頁

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