わかめ―深い緑色をした、優しい美味しさを届けてくれる海の幸

わかめ 海藻類
わかめ

わかめとは

わかめとは、チガイソ科の海藻です。日本においては、日本海側では北海道以南、太平洋側では北海道南西部から九州にかけての沿岸において広く見られます。朝鮮半島においては、半島南部の両岸低潮線付近から下に生息しています。

旬は3~6月という事が多いです。基本的に塩漬けまたは乾燥させて保存性を高めて、商品化します。

乾燥が容易な上に軽くて持ち運びしやすく、縄文時代の遺跡からもわかめを含む海藻の植物遺存体が見つかっていて、相当古い時代から人々がわかめを利用していた事がわかっています。

汁物の具、酢の物、炒め物、サラダ、地域によっては天ぷらにもされるなど、楽しみ方の幅も広く、日本に住む多くの人々に愛されています。

良品の選び方

※ここに挙げた特徴を持つわかめを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

乾燥わかめの場合

黒くて乾燥度合いの良いものを選びましょう。

生わかめの場合

黒褐色でツヤがあり、肉厚なものに良品が多いです。

保存方法

冷蔵の場合

塩蔵わかめは開封後、保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫の冷蔵室で保存します。この方法で10日ほど保存出来る事もあります。乾燥わかめは常温で保存して問題ない場合が多いですが、夏場は冷蔵庫で保存する方が良いです。

冷凍の場合

塩蔵わかめはそのまま冷凍保存出来ます。手元に参考となる資料がないので推測での発言になってしまいますが、条件に恵まれると数カ月以上の保存にも耐え得ると思われます。

栄養素

乾燥わかめ
乾燥わかめ

ヨウ素

「ヨード」の名前でも知られています。甲状腺ホルモンの構成成分となります。交感神経を活性化させるなどして、細胞や組織の成長を促します。

水溶性食物繊維

わかめには「アルギン酸」という水溶性食物繊維が含まれています。余分なコレステロールやナトリウムを体外に排出する働きがあるとされる事から、高血圧や糖尿病、便秘の予防に力を発揮すると見込まれています。また、これも水溶性食物繊維である「フコイダン」には抗酸化作用があるとされます。

その他

その他、骨の材料になるカルシウム、神経の情報伝達に関わるマグネシウム、高血圧や脳卒中予防に役立つカリウム、貧血を防ぐ可能性がある鉄といったミネラルも含んでいます。

健康効果

※わかめを適度に摂取すると、以下に挙げる健康効果を得られる可能性があります。

・肥満や生活習慣病の予防・改善

・高血圧予防

・がん予防

・コレステロール値の改善

冷春雨スープのわかめのせ―齋藤瞬のチャレンジクッキング

前置き

この記事の最後に、わかめを使った料理にチャレンジします。作るのは「冷春雨スープのわかめのせ」です。

私は今回、わかめを使った料理を作るにあたって、わかめ料理の王道的存在である「わかめご飯」を作ろうとも考えました。あるいは、「わかめサラダ」にしようかとも。

しかし、何か「個性的な料理」を作ってみたいなあと、私の心は動きます。しかしアイデアが浮かばない。

そんな時でした。「春雨とわかめでさわやかさを出せば良いかも」と。さらに、「さわやかさなところに、敢えて油分も足してみる。面白いかも」ラー油も足すことが確定しました。

ということで、私は料理を試作し始めました。

材料(1人前)

・乾燥わかめ・・・2つまみ程度

・乾燥春雨・・・約50g

・豚ひき肉・・・約100g

・大根・・・約8分の1本

・酢・・・お好みの量

・砂糖・・・お好みの量

・水・・・お好みの量

・塩こしょう・・・1振り程度

・サラダ油・・・適量

・ラー油・・・数滴

工程

乾燥わかめを水で戻す

フライパンまたは中華鍋に油をひき、温める

油が温まったら、豚ひき肉を炒める

しっかり火を通しましょう。

豚ひき肉を塩こしょうで味つけ

1振り程度の量の、薄い味つけをオススメします

豚ひき肉を炒めたら、別皿によけておく

大根の皮をむき、千切りにする

酢、砂糖、水で冷スープを作っておく

私が作った時は、酢と水を17対3程度作りましたが、薄すぎました。4対1程度にして、砂糖もやや多い位でも、美味しく出来ると思われます。

鍋に水を入れ、まずは千切りにした大根に火を通す

大根はヨレヨレになるくらいで良いです。

鍋の湯が沸いたら、春雨も茹でる

大根もそのまま茹でます

春雨が戻ったら、千切り大根ごとザルにあけて、ボウルなどで冷やします

冷えたら水気を切り、先ほど作った冷スープを丼に入れた後、春雨と千切り大根を盛る

豚ひき肉とわかめも盛る

最後にラー油を数滴入れて、完成です!

美味しく出来ていることでしょう!

試食と乾燥

冷春雨スープわかめのせ
冷春雨スープわかめのせ

見た目は、とても美味しそうに出来ました。しかし私は試作時、いくつかミスをしました。

一つは先ほども話した様に、スープが薄すぎました。さらにひき肉に塩こしょうをするのを忘れ、逆にラー油を入れ過ぎました。

にもかかわらず、食べたら意外と美味しいではありませんか(笑)。酢のさわやかさとラー油の油分、見事に調和していました。豚ひき肉とわかめのうまみもしっかりと伝わってきます。おまけ的存在として入れた千切り大根も、ヨレヨレなのにちゃんと存在感を示していました。これは自分の予想以上の出来になりました。

大成功に終わった、「齋藤瞬のチャレンジクッキング」になりました。

参考文献

・池上文雄著 一般社団法人農山漁村文化協会発行「図解 山の幸・海の幸 薬効・薬膳事典 果実・キノコ・海藻・魚介類50種」2019年5月15日 194~196頁

・板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「からだにおいしい 野菜の便利帳」2021年11月15日 146~147頁

・名取貴光監修 株式会社高橋書店発行「新・野菜の便利帳 健康編」2021年8月30日 105頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 116頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 239~264頁

・飯田薫子、寺本あい監修 株式会社西東社発行「一生役立つ きちんとわかる栄養学(第2版)」2021年7月10日 262頁

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