ぶどうとは
簡単な説明
ぶどうとは、ブドウ科ブドウ属に属する果物(液果類)です。日本における旬は8~10月という事が多いです。
日本において生産されたぶどうは、約8割が生食されますが、世界全体で作られたぶどうは、その約8割がワインを作るために使われます。この事から、日本はぶどうを生食する数少ない国といえます。しかしながら、生食してもワインにしても楽しめる事を考えると、子どもから大人まで、様々な方に楽しみや美味しさを与えてくれる果物といえます。
歴史と近年の傾向
ぶどうは古くから人間と関わりがあり、クレオパトラも愛した果物といわれています。約7000年前のイランの遺跡から、ワインの容器が見つかっています。
現在、日本で一般に流通しているのは、欧州系(西アジア原産。ヴィニフェラ種)と北米系(ラブルスカ種)、欧米系と北米系の交雑種という事が多いです。
また、ぶどうは果皮の色で分けられる事も多いです。巨峰などの黒系、サニールージュや甲斐路などの紅系、シャインマスカットなどの黄緑系があります。
近年は、シャインマスカットやナガノパープルのような、種なしで皮ごと食べられる品種の人気が高いです。
良品の選び方

※ここで紹介する特徴を持つぶどうを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
※ぶどうは追熟しない果物なので、新鮮なもの(以下に挙げる特徴を持ったもの)を選んだ方が良いです。
・軸が緑色のもの(茶色に変色していないもの)
・白い果粉(ブルーム)が付着しているもの
・ハリがあるもの
・粒が大きく密集しているもの(ただし、密集しすぎているものは、粒に日光が当たらず、光合成が上手く行われずに甘みが少ない事があるため、選ばない方が良い事が多いです)
保存方法
冷蔵の場合
軸を残してハサミでカットし、ペーパータオルに包んで、保存容器に入れて野菜室で保存します。これで約1週間保存出来る事もあります。
冷凍の場合
よく洗い、軸を残してハサミでカットし、水気をしっかりと拭き取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍室で保存します。これで約1か月保存出来る事もあります。
コラム―美味しいぶどうの食べ方
ぶどうは果房の上側の方から熟していくので、上側の方が、甘みが強いです。よって、果房の下側から食べていくと、最後まで甘みを感じながら、美味しく食べる事が出来ます。
栄養素

ぶどうは、その名も「ブドウ糖」という糖を豊富に含んでいます。
ブドウ糖は血液を通して各細胞に運ばれ、エネルギーとして利用されます。ブドウ糖は脳や神経、赤血球にとって重要なエネルギー源です。その役割は大きいといえます。
脳は基礎代謝量の約2割のエネルギーを消費する事から、適度にぶどうを食べる事は、脳をしっかり働かせるのに役立つといえます。
健康に良い組み合わせ
※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。
さくらんぼと組み合わせると
腰痛や肩こりの緩和などに役立つ事があります。
チコリと組み合わせると
眼精疲労回復などにつながる事があります。
明日葉と組み合わせると
糖尿病予防などに貢献する事があります。
アロエと組み合わせると
品種(一部)
巨峰
品種名は「石原センテニアル」。大粒のぶどう品種を目指し、食べ応えと甘さを実現しました。1955年に品種登録されています。
シャインマスカット
肉質がかたく噛み切りやすいので、種なしのものは食べると、香りと糖度18度以上の甘みが口いっぱいに広がります。丈夫で育てやすいので、家庭菜園に挑戦する方もいます。
デラウェア
種なしぶどうの元祖ともいえる品種です。原産地のアメリカから明治初期に日本に導入されました。甘さと酸味を兼ね揃え、価格も手頃で、日本の食卓にぶどうを広めるのに一役買いました。
ぶどうジュース作り―齋藤瞬のチャレンジクッキング
前置き
今回の記事の最後に、私がぶどうジュース作りに挑戦した時の記録を残しておきます。
このジュースを作ったのは1月と冬でしたが、幸運にも、私が住んでいる地域近くのコンビニに、種なしぶどうが売られているのを発見し、作ってみる事にしたのです。
ぶどうジュースといえば、私にとって思い入れがある飲み物です。私がまだ幼少の頃、今は亡き母方の祖父母と共に、果樹園で採ってきたぶどうを使ってぶどうジュースを作った思い出が、頭に残っています。そのジュースは甘酸っぱくて、とても美味しかったのを覚えています。
その時の再現とは少し違いますが、大人(というより、すでにおじさんですが)になった今、再び作ってみようと思ったのです。
事前に作り方をリサーチしたわけではなく、完全に自己流での料理となったので、色々と至らぬ点がある作り方かもしれませんが、優しい目で読んでいただけるとありがたいです。
材料(1人前)

・種なしブドウ・・・皮つきの状態で数十g程度
・水・・・120ml程度
工程
1.ぶどうを軸から外し、皮をむく
※私はかなりアバウトに皮をむきましたが、きれいに向いた方が仕上がりは良くなります。
2.ミキサーに皮をむいたぶどうと水を入れて、ジュースにする
※手のけがや感電などに注意して下さい。
3.コップに注いで、完成です!
試飲と感想

皮をかなりアバウトにむいてしまったが故に、かなり濁りがあるジュースになってしまいましたが、香りは決して悪くありませんでした。
飲んでみると、適度な甘さがあり、素直に美味しいと思う事が出来ました。良い意味で、普通のぶどうジュースになりました。
その上で、もう少し酸味があったら、さらに美味しくなると思いました。他のフルーツなども組み合わせると、ますます美味しくなる気がした、改良の余地があるジュースとなりました。
参考文献
・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 231頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 176~177頁
・中野瑞樹著 株式会社夢の設計者企画・編集 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツおいしい手帳(初版)」2023年7月30日 91~95頁
・竹下大学著 株式会社エクスナレッジ発行「野菜と果物 すごい品種図鑑(初版)」2022年7月12日 156~165頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典 最新版(初版)」2016年5月23日 139、244頁