キウイソースの失敗作(過去に齋藤瞬が執筆した記事のアーカイブ)
前置き
私がまだ、ブログ(青果)ライターとして出発して日が浅かった頃に執筆した記事を、アーカイブしたものです。
今の私自身と比べて経験値が浅かったなりに、頑張って執筆したのを覚えています。
キウイソースを作ろうとした理由
実は、元々キウイソースを作る気ではありませんでした。では、何を作ろうとしていたのかというと、いちごソースです。
自宅に揃えている(といっても書籍の数はまだまだ少ないのですが)参考図書を読む中で、写真のいちごソースがものすごく美味しそうに見えて、「僕もぜひ作ってみたい!」と思いました。
しかし、そこに一つ問題が。いちごソースを作ろうと決意したのは夏真っ盛りの7月。いちごの旬ではありません。
「初めてのいちごソース作りだし、お試しの意味合いもあるから、多少安物でも構わないからそれを買って作ってみよう」と思い、自宅近くのスーパーに買い出しに行きました。
しかし・・・、いちごは安物すらない状況。「ああ、やっぱりいちごは無いか」「別の料理を考えよう」と諦めの気持ちでいたのですが、そこにキウイフルーツが目に入ってきました。
「なんならキウイフルーツでソースを作ってみるか」、最近の僕は徐々にプラス思考や思考の転換ができるようになってきていると自覚していますが、ここでもそれができました。
キウイフルーツを購入し、自宅で早速キウイソースを作ってみることにしました。
材料
キウイフルーツ・・・約4個
これと後は調理器具の用意、そして火が使えれば大丈夫です。砂糖は使いません!
そして、キウイフルーツの変色止めにレモンを使おうかとも思いましたが、キウイフルーツは元々酸味があり、僕は酸っぱくなりすぎるのを嫌って、敢えてレモンは使いませんでした。
では、大場しゅんのチャレンジクッキング、スタートです!
調理過程
1.キウイフルーツの皮をむく
まずは皮むきです。手を切らないように気をつけましょう。
2.キウイフルーツ4個のうち、半分はざく切りに、半分は形を残します。
しっかりキウイフルーツをソース上にしつつ、食感も楽しむためです。なお、処理したキウイフルーツは焦げにくい鍋に投入してください。
3.キウイフルーツを投入した鍋を火にかけて、焦げないようにヘラで炒める
ここでだんだんとソースらしくなる・・・、はずだったのですが、乾いてきて色も悪くなってきてしまいました。もしかするとキウイフルーツ「4個」という量では、ソースにするのに量が足りな過ぎたのかもしれません。また、火力が強すぎたのもあると思います。今後、金銭的に余裕のあるときに、キウイフルーツの量を増やして試してみたいと思います。また、火力にも気をつけたいと思います。
4.(本来であれば)ソース状になったところで、火を止め、皿に盛って、完成です
恐らく、キウイフルーツを十分な量揃えて、火力に気をつけながら、約30分熱すれば、ソース状になるはずです。また、色の悪化の対策に、レモン汁を絞るのも、一つの手と思われます。
見た目は明らかに「失敗作」ですが、一応、試食です。
試食
見た目がかなり悪いだけに、味にも期待せず、むしろ(汚い表現で申し訳ないのですが)吐く覚悟で恐る恐るキウイソース(もどき)を口に入れてみたのですが・・・、美味しい!普通にキウイフルーツを食べた時よりもはるかに美味しいかったです。
恐らく、加熱したことで水分が飛んで、甘味が凝縮されたのが理由だと考えています。
これで色が良ければ、十分人前にも出せる味と思われます。
見た目は完全に失敗作でしたが、味はこれ以上ないほど最高でした。
まとめ
いちごソースを作りたくて、結局キウイソースを作り、失敗かと思われたが、めちゃくちゃ美味しいという結果に終わった今回の大場しゅん(齋藤瞬)のチャレンジクッキングで、僕は改めて、料理をすることの楽しさに気づけました。すごく良い経験となりました。
歴史(ここから2024年10月に執筆した分になります)
キウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属に属する果物です。原産地は中国で、20世紀初頭に、中国からニュージーランドに種が持ち込まれ、商業栽培が始まりました。商業栽培される以前より、ニュージーランドで様々な品種が開発されて、それらは世界の色々な地域で楽しまれています。
日本においても、愛知県、和歌山県、福岡県などで栽培されていて、近年、国産品が出回る機会も増えています。海外(そのほとんどはニュージーランド)からは一年中輸入されるキウイフルーツですが、国産品の旬は、11月頃という事が多いです。
なお、日本にも自生している、キウイフルーツと似た果物に「サルナシ」というものがあります。日本で古くから親しまれていて、生食や果実酒、ジャムにして楽しまれます。
良品の見分け方
これらの特徴を持ったキウイフルーツを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
・表面にしわがないもの
・何となく平べったい感じがあるもの
※『平べったいほうが、糖度の高い中心部分の面積が広い』(『』内 中野瑞樹著 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツおいしい手帳(初版)」2023年7月30日 60頁より引用)
・グリーンキウイの場合、うぶ毛が均一にびっしり生えているもの
・すぐ食べる場合、少し弾力があるもの
保存方法
常温保存の場合
・まだ硬いものを追熟させたい場合は、りんごやバナナ、またはパッションフルーツと一緒に保存袋に入れて、数日待つと、上手く追熟出来る可能性があります。
・りんごなどと一緒に入れずに保存しても、追熟は進みますが、キウイフルーツが均等に熟さず、一部に硬さが残る場合もあります。しかしそれでも、全体が硬いままよりは、美味しく食べる事が出来ます。
冷蔵の場合
・熟したものは、ペーパータオルに包んで、保存袋に入れて、冷蔵庫で保存します。これで1週間程度もつ事があります。
・ちなみに、まだ熟していないものを同じ方法で保存すると、3~4か月保存できる事があります。
冷凍の場合
・丸のままのものは、洗ってしっかりと水気を拭き取り、一個ずつラップに包んで、冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存します。この方法で、1か月前後保存出来る事があります。
栄養
ビタミンC
風邪などの感染症を起こしにくくする効果があります。また、皮膚の健康や美容効果も期待されます。ビタミンCには抗酸化作用があり、がんや老化防止にもつながる可能性があります。
ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、キウイフルーツは生食する事が多いので、効率よく摂取するのに役立ちます。
ビタミンE
「若返りのビタミン」とも呼ばれます。強い抗酸化作用があり、老化防止につながる可能性を秘めています。
また、新陳代謝を促し、頭痛や肩こり、冷え性を改善してくれる可能性があります。
カリウム
摂取し過ぎたナトリウムを体外に排出してくれる作用があります。
ナトリウム自体は、生命の維持に必要不可欠なのですが、近年の日本の食生活においては、どうしてもナトリウム過多になりがちです。
ナトリウムの摂り過ぎは、高血圧などを招き、そこから生活習慣病につながってしまう事もありますが、カリウムを摂る事で、それらを予防出来る事があります。このカリウムが、キウイフルーツには多く含まれています。
カルシウム
骨の材料としておなじみですね。骨の材料になる以外に、心臓の鼓動の正常な働きや、細胞分裂を順調に行うのにも、非常に重要です。
キウイフルーツとカルシウムというと、少しピンと来ない方もいると思いますが、キウイフルーツにもカルシウムは含まれています。
その他
食物繊維や、タンパク質の代謝を助ける効果があるビタミンB₆なども、キウイフルーツは含んでいます。
また、タンパク質分解酵素である「アクチニジン」を含んでいる事から、肉料理とキウイフルーツを一緒に食べると、体内で肉を上手く消化出来る可能性があります。
健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)
※ここで紹介した以外にも、健康に良い食べ合わせはあります。
柿と組み合わせると
利尿作用や美肌作り、ストレス解消に良い可能性があります。
トマトと組み合わせると
がん予防、風邪予防、肥満予防につながる可能性があります。
玉ねぎと組み合わせると
生活習慣病予防や、老化防止につながる可能性があります。
ヨーグルトと組み合わせると
下痢・便秘予防などにつながる可能性があります。
品種(一部)
ヘイワード
グリーンキウイ(中身が緑色)の一つで、最もポピュラーな品種です。1924年に、ヘイワード・ライト氏が開発しました。
香緑(こうりょく)
香川県で育成された品種です。グリーンキウイの一つで果実は大きく、酸味が少なくて味も良いです。
ゴールドキウイフルーツ
イエローキウイ(中身が黄色)の一つです。「ゼスプリゴールド」でおなじみです。甘みが強いのが特徴です。
参考文献
・中野瑞樹著 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツおいしい手帳(初版)」2023年7月30日 59~63頁
・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 233頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書(初版)」2017年6月2日 155頁
・三輪正幸監修 株式会社高橋書店発行「からだにおいしい フルーツの便利帳」2018年9月5日 112~113頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 180頁
・足立香代子監修、kirishima・サイドランチマンガ 株式会社池田書店発行「マンガでわかる栄養学」2021年12月20日 98~108、112頁