この記事で、ゆり根の良品の見分け方や下処理の仕方などが学べます
ゆり根とは
ゆり根とは、ユリ科ユリ属に属する野菜(根菜類)です。
もっちりした食感と、優しい甘みが特徴で、その個性的な食感や味が好きな方も少なくありません。茶わん蒸しの具として、レギュラー的存在ですね。
現在は、冷蔵技術が発達して、一年中出回る事も多いですが、本来の旬は冬です。
簡単な歴史
原産地は、中国または日本とされています。
古くから、中国や日本では、観賞目的だけでなく、ゆり根を薬用、食用として扱ってきました。
咳を鎮める効果や、痰を取り除く効果、高熱の予後などに力を発揮するとされてきました。苦みのないものは、食用にもされました。
ちなみに、食用とされるゆり根のうち、メインとなるものは、ヤマユリ、コオリユリ、オニユリの三種です。はじめは、野生のものに頼っていましたが、17世紀に入り、栽培が始まりました。
17世紀末の日本の農学書である「農業全書」には、蒸して食べるほか、肉と一緒に食べる方法や菓子にするなど、様々な方法で食されていた事が書かれています。
良品の選び方

※ここに挙げた特徴を持つゆり根を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
※紫色がかったものは、苦みが強い傾向があり、少し食べにくいかもしれません。
・色が白く、実がしまっているもの
・鱗片が大きいもの
下処理の仕方(食べ方)
汚れやゴミを丁寧に洗い落としたら、芯の底からえぐりとります。
鱗片を外側から1枚ずつはがして使いましょう。
コラム―苦さが苦手なら
ゆり根のほのかな甘さや、もっちりとした食感が好き、という方は多いと思います。
しかしその一方で、ゆり根の苦みが苦手な方も、いらっしゃると思います。
ゆり根の苦さが苦手な方にとって、食べやすくするのに役立つ可能性があるのが、軽く下茹でして食べる事です。これで、苦みが軽減出来る事があります。
また、含め煮にして食べる事もおすすめします。
工夫をして、ゆり根が美味しく食べられると、また一つ、食卓に花が咲きますね!
保存方法
基本的に、風通しの良い冷暗所で保存します。
繊細な鱗片を傷つけないように、やわらかな紙やおがくずなどで保護して保存します。
栄養素
ゆり根は美味しいものの、どのような栄養素が詰まっているのかを考えながら食べた事がある方は、意外と少ないかもしれませんね。
実はゆり根には、意外なほど栄養素が詰まっています。以下で主なものを解説します。
ビタミンB₆
たんぱく質の代謝に強く関わるビタミンです。
脂肪肝を防ぐ事や、貧血予防、精神の安定にも役立ちます。
葉酸
赤血球の生成を助けます。不足は悪性貧血などを引き起こしてしまう事があります。
胎児の発育におおいに必要なビタミンであるため、妊娠初期には欠かせません。
その他葉酸の適度な摂取は、認知症や脳梗塞を防ぐのに貢献する可能性が指摘されています。
カリウム
体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防などに役立ちます。
またカリウムは、筋肉の収縮や神経の正常な情報伝達にも強く関わるので、不足すると、不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
鉄
酸素を全身に運ぶのに欠かせません。
貧血の予防に役立ちます。特に、月経がある女性は、鉄不足に注意する必要があります。
その他
ゆり根には、水溶性食物繊維が多く含まれます。そのため、ゆり根の適度な摂取は、コレステロール値の低下や血糖値の低下に貢献します。これは、肥満の防止・改善や、糖尿病の予防に貢献する事を意味します。
効用

ゆり根の適度な摂取は、以下に挙げる健康効果をもたらす可能性があります。
・コレステロール値の上昇抑制
・整腸作用
・高血圧の予防・改善
・貧血の予防・改善
その他、クエン酸を含む梅肉とゆり根を組み合わせて食べると、ストレスを減らす事につながる事があります。
参考文献
・相馬暁著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 228~231頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 77頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 190、239~264頁




