ナシ―私は小さい子供の頃、リンゴの仲間だと思っていました(笑)

ナシ 王秋 仁果類
ナシ 王秋

ナシとは

簡単に

ナシとは、バラ科ナシ属に属する果物(仁果類)です。一般的に「西洋ナシ」と呼ばれるナシと、「日本ナシ」と呼ばれるナシに分類されます。以下で簡単な説明をします。

西洋ナシ

原産地はヨーロッパ中部、東南部から地中海地方およびアジア西部のトルコ、アナトリア高原、コーカサス、小アジアからペルシャ北部の辺りとされています。

日本には明治初年にアメリカ、フランスから導入されました。日本では主に、9~12月によく出回ります。

有史以前からヨーロッパ中部、東部で栽培化されていました。その後ヨーロッパ全域に広まり、17世紀にアメリカに渡ります。古くからヨーロッパの人々の食生活に欠かせない重要果実として扱われてきました。

日本ナシ

原産地は中国長江沿岸、朝鮮半島南部、日本中部以南の辺りとされています。一応「日本ナシ」とは呼ばれていますが、今の研究段階では日本原産とは言い切れません。7~12月頃によく出回ります。

692年に持統天皇が「ナシを植えよ」と命じたとされるなど、日本人とナシは古くから関わりがありましたが、急速に栽培技術が向上したのは、近年になってからです。

良品の見分け方

ナシ お尻側
ナシ お尻側

※ここに挙げた特徴を持つナシを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

・日本ナシの場合、赤ナシは表面のざらつきがなめらかになってきたら。青ナシの場合は黄色みを帯びてきたら、食べ頃です。ちなみに、ナシの表面のざらつきの事を「果点コルク」といいます。

・西洋ナシの場合は、持ってみて重みを感じるもの、軸が茶色く乾燥し、軽く押してみてやわらかさを感じるものが食べ頃です。商品を持つ時、やわらかさを確かめる時は、商品を落としてしまう、傷つけてしまうという事がないように、優しく扱いましょう。

保存方法

冷蔵の場合

ペーパータオルに包み、上からラップもかけます。その後ポリ袋に入れ、ヘタを下にして冷蔵庫の冷蔵室で保存します。この方法で、1週間程度保存出来る事もあります。

冷凍の場合

皮と芯を取り除いたら、好みの大きさにカットします。塩水につけた後、ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。この方法で、1か月程度保存出来る事もあります。

洋ナシの追熟

日本ナシが追熟しないのに対して、洋ナシは追熟させられます。追熟させたい場合、20℃前後の室温を作れるのであれば、紙袋などに入れて常温保存します。20℃前後の環境を作る事が出来ない場合や、ゆっくり追熟させたいのであれば、紙袋などに入れた上で、冷蔵庫の野菜室に保存します。

栄養素

ナシに含まれる果糖やリンゴ酸、クエン酸には疲労回復効果が見込めます。また、日本ナシにも洋ナシにも「ソルビトール」という糖アルコールが含まれていて、整腸作用が期待出来ます。

健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

日本ナシの場合

大根と組み合わせると

消化促進などが期待できます。なお、大根については以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

うどと組み合わせると

二日酔い防止などが期待できます。なお、うどについては以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

洋ナシの場合

生ハムと組み合わせると

高血圧予防などが期待できます。

チーズと組み合わせると

便秘予防などにつながる可能性があります。

試食レポート

王秋

ナシ 王秋
ナシ 王秋

まずは王秋(おうしゅう)という品種の試食レポートです。ちなみに鳥取県産でした。販売されていたスーパーのポップ(広告)に、糖度11度と表記されていました。糖度11度は、ナシにしては甘さ控えめだそうです(平均的には12度だそうです)。

甘さ控えめという事で、私の頭の中に、「あまり美味しくないのでは」という、勝手なバイアスがかかってしまいました。しかしそれでも、購入し試食してみない事には何も始まりません。という事で購入しました。

自宅に戻り数時間後、私は試食を試みました。すると・・・、「あっ、美味しい」素直にそう思いました。果汁があふれ出してみずみずしい、とはいかないものの、甘さ控えめとは思えないほど、しっかりと甘みがあり、そうでありながらしつこさもなく、とても食べやすかったです。

王秋、なかなか好きな品種かもしれません。

ラ・フランス

ラ・フランス
ラ・フランス

続いて、ラ・フランスの試食です。産地については、私の資料管理の怠慢で失念してしまいました。謝罪します。

ラ・フランスをはじめとして、私は子どもの頃、洋ナシがあまり好きではありませんでした。何故ならば、洋ナシを食べると、胸やけならぬ「鼻やけ」みたいな感覚に陥ったからです。上手く説明出来ないのですが、胸やけの時の胸の感覚が、鼻で起きる感覚を覚えました。

そのような経験をしているが故に、私は洋ナシというものにあまり良い印象がありませんでしたが、大人になるにつれて、少しずつ洋ナシも好きになってきました(鼻やけのような感覚も感じなくなりました)。

そんなわけで今回の試食も、良い気分での試食となりましたが、先ほど紹介した王秋同様、とても食べやすくて、でも甘みもしっかりと感じる事が出来て、美味しく食べる事が出来ました。何より、舌触りが良かったです。香りも優しくて、食べやすさも感じる事が出来ました。

参考文献

・社団法人農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科 第3巻 果実・木の実,ハーブ」2010年8月25日 207~210、255~257頁

・中野瑞樹著 株式会社夢の設計者企画・編集 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツおいしい手帳(初版)」2023年7月30日 76~79、115~117頁

・竹下大学著 株式会社エクスナレッジ発行「野菜と果物 すごい品種図鑑(初版)」2022年7月12日 148~155頁

・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 230頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 186~188頁

・三輪正幸監修 株式会社高橋書店発行「からだにおいしい フルーツの便利帳」2018年9月5日 19~26頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 135、239~264頁

リンク

当ブログ(食材の試食レポートが書かれている記事)

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