ししとうがらし―辛さが無くても、美味しさと栄養価はホットです

ししとうがらし 果菜類
ししとうがらし

ししとうがらしとは

ししとうがらしとは、ナス科トウガラシ属に属する野菜(果菜類)です。いわゆる緑黄色野菜に分類されます。旬は基本的に夏です(夏野菜)。

非常にアバウトな言い方になってしまいますが、「辛味がないとうがらし」といって差し支えないです(ただし後述の様に、とある理由で辛くなってしまう事はあります)。これは間接的に、ピーマンやパプリカとも仲間である事を意味します。

辛味がないのにも関わらず、とうがらしと同じくカプサイシンを含み、適度な摂取は身体を温め、上手な減量へと導いてくれる可能性があります。

良品の選び方

良品の傾向

※ここに挙げた特徴を持つししとうがらしを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

・皮にハリとツヤがあるもの

・ヘタに元気があり、鮮やかでみずみずしい感じがするもの

・緑色に鮮やかさを感じるものほど、含まれるカロテンの量が多いです。カロテンのうちβ―カロテンについては後述しますが、基本的には健康に好影響をもたらすので、緑色が鮮やかなものがあったら、なるべく選びましょう

注意―辛いものもある

基本的には辛味がないししとうがらしですが、時々、辛味があるししとうがらしが出来てしまう事があります(運悪く口にして、「辛い!」という思いをした方もいると思います。私もその経験があります)。

これは主に、生育中に何らかの強いストレスがかかった事により、起きてしまう事です。

残念ながら、完璧に見分ける方法はありませんが、形がいびつ、黒ずんでいる、先が細いという、どれかに該当しているししとうがらしに、辛いものが多いという傾向があります。

保存方法

冷蔵の場合

保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。これで1週間程度保存出来る事もあります。

もっと長く冷蔵したい(上手く行くと2週間程度保存出来る)場合、1本ずつペーパータオルに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

冷凍の場合

洗って水気をしっかり拭き取り、好みの大きさにカットします。ラップで小分けして、冷凍用保存袋に入れて冷凍室で保存します。この方法で、1ヶ月程度保存出来る事もあります。

ちなみに料理に使う時は、解凍せず、そのまま加熱した方が、美味しく食べられます。

栄養素

ししとうがらし
ししとうがらし

ししとうがらしは、とうがらしと違い辛さがないため、とうがらしと比べて多くの量を食べる事が出来ます。

栄養素も、多くの栄養素を含んでいるので、適度な量を食べる事で、以下に挙げる栄養素を効率良く摂る事が出来ます。

β―カロテン

体内でビタミンAに変わります。抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化予防などに役立ちます。皮膚や粘膜の健康維持にも欠かせません。

またビタミンAは、目の健康にも強く関わるので、不足すると夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。

ビタミンAは、油を使った料理と一緒に食べると、吸収効率が良くなります。そのため、適度な量の油を使ってししとうがらしを料理する事は、料理を美味しくする以外の効果もあります(後述するビタミンE、Kについても似たような事が言えます)。

ビタミンC

抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化予防に役立ちます。コラーゲンの生成にも強く関わるので、美肌作りに欠かせません。

また、ビタミンCは風邪などの感染症予防にも力を発揮します。

ビタミンE

強い抗酸化作用があり、「老化抑制ビタミン」の名もあります。

血液の循環を良くし、冷え性や肩こりを改善してくれる事があります。

その他、性ホルモンの分泌や生成にも関わるので、生殖機能の維持にも貢献します。

ビタミンK

骨を丈夫にする効果があります。血液の凝固、凝固の抑制どちらにも役割りを果たすので、ビタミンKの適度な摂取は、ケガや内出血の程度を軽減してくれます。

その他

ししとうがらしには、カリウムも良く含みます。そのため、高血圧や脳卒中の予防に役立つ事があります。さらに、不溶性食物繊維も含むので、大腸がんや便秘の予防にも貢献する事があります。

コラム―跳ねを防げるかも

ししとうがらしの卵焼き
ししとうがらしの卵焼き

ししとうがらしを料理する時に問題になるのが、加熱した時にパチンと跳ねて、やけどをしてしまう可能性がある事です。

100%防げるわけではありませんが、加熱する前にフォークなどで2、3か所小さな穴を開けておくと、跳ねてしまう可能性を下げる事が出来ます。

少しの手間が、自分自身やあなたの大切な人を救う可能性があるのであれば、やってみて損はないですね。

健康効果

※ししとうがらしの適度な摂取は、以下挙げる健康効果をもたらしてくれる事があります。

・老化の抑制

・動脈硬化の予防

・コレステロールの上昇抑制

・便秘の予防・改善

品種(一部)

ししとうがらしには、京都特産で、大型で果肉が厚めの「万願寺唐辛子」や、これも京都特産でその細長さが特徴の「伏見甘長」といった品種があります。

参考文献

・相馬暁著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 90~93

・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 203頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 28頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 22頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 67、239~264頁

リンク

当ブログ(ピーマン・パプリカ・とうがらしについて)

当ブログ(ししとうがらしと同じ夏が旬の食材)

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