さといも―しっかりと噛めつつも、優しい味わいも感じられる根菜類

さといも 根菜類
さといも

さといもとは

さといもとは、サトイモ科サトイモ属に属する野菜(根菜類)です。いわゆる「タロイモ」です。旬は9~11月頃、秋という事が多いです。古くから和食のお供として親しまれてきました。

簡単な歴史

原産地はインドとする説、東南アジアとする説、中国南部とする説などがありますが、未だにはっきりとしていません。

日本への渡来時期や経路もはっきりしていませんが、縄文時代中期に原始型のさといもが渡来したという説があります。

古くから農耕儀礼や儀礼食に多く用いられ、子孫繁栄の象徴とされる事もあります。煮物や和え物、衣被(きぬかつぎ)や芋棒のような、独特の料理にも使われます。

古くから重要な作物でしたが、近年、洋風の食事に合わない事などから、消費量は停滞しています。

良品選び方

さといも 拡大画像
さといも 拡大画像

※ここに挙げた特徴を持つさといもを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

・表面が湿っているもの

・ずっしりと重いもの

・皮にキズやひび割れがないもの

・ふっくら丸みがあるもの

・全体的にかたさがあるもの

ワンポイントアドバイス―多少のカビなら

さといもは、表面が湿っているものを選ぶと良い事が多いのは確かですが、それは言い方を換えると、カビが生えやすいという事でもあります。

しかし、皮に多少白カビが生えている程度なら、除去してやれば十分食べられる事も多いです。私がかつて勤務していた青果店でも、多少の白カビならば除去して売り物にしていました。

食品ロスを防ぐ参考にしていただけると嬉しいです。

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保存方法

常温保存の場合

泥つきのまま紙袋に入れて、冷暗所で保存しましょう。表面が乾いている場合、湿らせた新聞紙に包んでやると良いです。10℃程度が適温です。

冷蔵の場合

さといもは低温に弱いので、基本的に冷蔵しない方が良いです。冷蔵した方が良い事もあるのは夏で(高温で冷暗所が作りにくいため)、ペーパータオルに包み、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存します。この場合、約1週間保存出来る事もあります。

冷凍の場合

茹でて皮をむいてから、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室に保存します。この場合、約1か月保存出来る事もあります。

栄養素

さといもからは、以下で挙げる栄養素の補給が期待できます。それぞれ解説していきます。

ビタミンE

抗酸化作用を持ち、「老化抑制ビタミン」の別名があります。過酸化脂質の発生を抑え、がんや動脈硬化、脳の老化などを防ぐ事があります。

その他、血流を改善する事から冷え性、肩こりの改善にも役立ち、性ホルモンの生成、分泌にも関わる事から、生殖機能を正常に保つ効果もあります。

カリウム

体内の細胞の浸透圧を調節する効果があります。余分なナトリウムを体外に排出してくれる事から、高血圧や脳卒中の予防、改善にも役立ちます。

また、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、カリウムの不足は不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。

その他

さといもには、水溶性食物繊維である「マンナン」が含まれます。この事から、さといもの適度な摂取は、コレステロール値を減らし、血糖値上昇を防ぐのに役立つといえます。

健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

酢と組み合わせると

健脳効果などがあります。

ゆばと組み合わせると

認知症予防などに役立つ事があります。

エノキタケと組み合わせると

血中コレステロール値低下などにつながる事があります。なお、エノキタケについて以下のリンクで詳しく解説しているので、参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

昆布と組み合わせると

新陳代謝を活発にするなどの力を発揮する事があります。

品種(一部)

さといも
さといも

土垂(どたれ)

関東地方で多く栽培されている品種です。粘りが強く、やわらかいのが特徴です。

えびいも

京野菜の一つです。親子兼用品種(親芋も子芋も食べる)の唐芋(とうのいも)を特殊栽培し、湾曲させたものです。粉質で粘りが強いです。

記憶が少しあやふやなのですが、私がかつて勤務していた青果店においては、さといもは品種に関係なく何であっても「さといも」として売る事が多かったですが、「えびいも」は独立して分類されていた記憶がかすかにあります。

今回の記事作成にあたってさといもについて勉強し直した事で、何となくその理由がわかりましたが、えびいもは京野菜という、独自性の強い野菜である事から、その青果店においても特別扱いされていたと予想されます。

ハスいも

この品種は少し特殊で、いもではなく葉柄を食用とします。

私は人生の中で、まだ一度もハスいもに出会った事がないので、見た目も味も大変興味があります。いつか出会えると良いなと思っています。

いもがら

ずいきという別名があります。いもの茎です。生のものは皮をむいてから茹で、アク抜きして酢の物や汁の具に使います。

ハスいも同様、私はまだ出会った事がありませんが、参考文献を読んでみて大変興味が湧いています。特に酢の物にして食べる事に興味があります。

参考文献

・青葉高著 株式会社八坂書房発行「日本の野菜文化史事典(初版)」2013年9月25日 371~382頁

・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 208頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 66~67頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 66~67頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 239~264頁

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リンク

当ブログ(さといもと同じ根菜類)

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