この記事で、かいわれ大根の良品の選び方や、栄養素などが学べます
かいわれ大根とは
かいわれ大根とは、アブラナ科アブラナ属に属する野菜です。大根のスプラウトです。スプラウトとは、植物の新芽の総称を指します。
その辛みは、料理も食べる人の心も身体もシャキッとさせてくれます。辛味を活かすために、生食される事が多いです。
もう少し詳しく
かいわれは、「貝割れ」と書きますが、これは双子葉植物の種子から芽生えた二つの子葉を、二枚貝が開いた形に見立てた表現です。つまり、「貝割れ大根」のかいわれは、大根の事のみならず、双子葉の植物の子葉を指します。
土を使わず、野菜工場で水耕栽培によって育てられる事から、「工場野菜」とも呼ばれます。
工場野菜、という言葉にあまり良くない印象を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、かいわれ大根をはじめとした多くのスプラウト類は、多くのミネラルやビタミン類を含んでいて、栄養豊富で健康に役立ちます。
1986年9月18日、日本かいわれ協会（現・日本スプラウト協会）が発足し、毎年9月18日を「かいわれ大根の日」に制定しました。
良品の選び方
※ここに挙げた特徴を持つかいわれ大根を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
※スプラウト類は、種類がたくさんある上、見た目も似ているものが多いです。商品購入の際は、パッケージの表記を良く確認して購入する事をおすすめします。
・葉がきれいな緑色のもの
・変色が見られないもの
保存方法
冷蔵の場合
根元をカットしたものは、ラップで包むか保存袋に入れて保存します（野菜室より冷蔵室での保存をおすすめします）。この時、少し空気が残るような包み方にしてやると、長めに持ちます。
3～4日で使い切る事をおすすめします。
栄養素
かいわれ大根は、一度の食事の際に食べる量が少なめである事が多いため、食事におけるメインの栄養補給源になる事は少ないと思われます。
しかし、かいわれ大根そのものは、大変栄養豊富です。以下に挙げる栄養素を多く含んでいるので、覚えておいて損はないです。
β－カロテン
体内でビタミンＡに変換されます。厳密さを欠く表現になりますが、β－カロテン＝ビタミンＡと考えて良いです。
ビタミンＡには抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。
また、皮膚や粘膜の健康維持には欠かせません。その他、目の健康維持にも強く関わるので、不足すると夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。
ビタミンＢ₂
脂質の代謝に強く関わるビタミンです。適度な摂取により脂質を上手く代謝できるので、疲れにくい身体を作る事が出来ます。
また、ビタミンＢ₂が不足すると、肌荒れや口内炎を引き起こしてしまう事があります。
ビタミンＣ
抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。コラーゲンの生成にも強く関わるので、美肌作りには欠かせません。
また、ビタミンＣの適度な摂取は、風邪などの感染症予防にも役立ちます。
ビタミンＥ
強い抗酸化作用があり、「老化抑制ビタミン」の別名を持ちます。
血液の循環を改善するので、冷え性や肩こりの予防・改善にも役立ちます。
その他ビタミンＥは、性ホルモンの生成・分泌にも関わるので、生殖機能の維持に役立ちます。
ビタミンＫ
骨を丈夫にする作用があります。また、血液の凝固と凝固の抑制どちらにも関わるので、ビタミンＫの適度な摂取は、ケガや内出血の程度を軽減してくれる可能性があります。
その他
かいわれ大根の辛味成分である「シニグリン」には、抗酸化作用があり、がん細胞の活動を抑制する働きが期待されます。
健康に役立つ組み合わせ
※ここで紹介する以外にも、健康に役立つ組み合わせ（食べ合わせ）はあります。
キムチと組み合わせると
がん予防などにつながる事があります。
納豆と組み合わせると
美肌づくりに貢献します。
その他
かいわれ大根に含まれるビタミン類の損失を防ぎたい場合、生食する事をおすすめします。また、敢えてオイル入りドレッシングを使う事で、β－カロテンの体内への吸収率が高まります。
かいわれ大根以外のスプラウト
かいわれ大根と同じ、アブラナ科の野菜のスプラウトには、ブロッコリースプラウトやレッドキャベツのスプラウトなどがあります。
参考文献
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える！野菜の教科書」2017年6月2日 46～49頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 131～133頁
・名取貴光監修 株式会社高橋書店発行「新・野菜の便利帳 健康編」2021年8月30日 160～163頁
・大場秀章著 株式会社新潮社発行「サラダ野菜の植物史」2004年5月15日 134～136頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版（初版）」2016年5月23日 57、239～264頁
