きくらげとは
きくらげとはキクラゲ科キクラゲ属に属するきのこです。野生種は世界的に分布していて、特に温帯地方に多く見られます。日本にも在来していて、広葉樹の枯れ木などに群生する事があります。
傘・茎といった特徴がなくゼラチン質です。乾燥すると縮み、水分があると膨らみます。きのこそのものが不安定です。人の耳の形に似ているので、中国では「木耳」「黒木耳」と呼ばれます。
原木栽培のものは7月頃に出回る事が多い一方で、菌床栽培のものは一年中出回り、さらには中国、台湾、インドネシアなどからの乾燥品の輸入も多い事から、年間を通して、スーパーマーケットなどで売られています。
中華料理には欠かせないきのこで、コリコリしていて歯ごたえが良いのが特徴です。完全に筆者の個人的意見になりますが、私はきくらげがかなりの好物で、料理において主役扱いする事もあるくらいです。
良品の選び方(乾燥品の場合)
肉厚で硬く、しっかりと乾燥したものを選びましょう。細かく砕けたものや、肉が薄いものは、美味しくない事が多いです。
保存方法(乾燥品の場合)
夏場は水分を吸収しやすく、カビも生えやすいので、乾燥材を入れて密閉容器に入れるか、冷蔵庫で保存しましょう。夏場以外も、基本的にはこの方法を採ると良いです。
水で戻すときの注意点


乾燥品を水で戻すと、10倍程度になる事が多いです(商品によっては異なる事があります)。戻すときには良く考えて戻しましょう。ただし、水につける時間が長くなりすぎても、戻り過ぎる事はないので、そういう意味では、取り扱いやすい一面もあります。
栄養素
きくらげは、乾燥状態から水で戻す時に、多くの栄養素が失われます。しかしそれでも、ビタミンDと不溶性食物繊維に関しては、大きな摂取源になります。ここではそれらについて解説します。
ビタミンD
骨の形成に貢献するビタミンです。カルシウムやリンなどを上手く吸収するのに強く関わります。
その他、体内のカルシウムの調整に役立ちます。
不溶性食物繊維
便通を良くするのに役立ちます。そのため、大腸がんの予防や便秘の改善につながる事があります。
健康との関わり
きくらげは、以下で挙げる事に役立つ可能性があります。
・便秘の予防・改善
・大腸がんの予防
・高血圧の予防・改善
中華丼―齋藤瞬のチャレンジクッキング
前置き
この記事の最後に、実際にきくらげを使った料理の紹介をします。筆者自身で料理と撮影もしています。
今回チャレンジしたのは「中華丼」です。私は中華丼が大好きです。しかし正直、私自身が作ってみた事は、ほとんどありませんでした。
ですが今回、中華丼を自分で作れる機会に恵まれ、チャレンジしてみる事にしました。そして、せっかく中華丼を作るのであれば、これも私の好物であるきくらげを多めに入れてみよう、そう考えて、料理をはじめました。
きくらげ以外は、白菜と冷凍エビしか使っていないシンプルなものになりましたが、もちろん、読者のみなさまの手で実際に作る際には、具材を増やしても良いです。
材料(3人前程度)

・きくらげ・・・乾燥状態で20g程度
・白菜・・・100g前後
・冷凍エビ・・・100g前後
・白米・・・小盛なら、1人前は炊いた状態で100g以上
・水・・・適量
・片栗粉・・・適量
・塩こしょう・・・お好みの量
・サラダ油・・・適量
工程
※より美味しく作ろうと思ったら、一気に数人前以上を作るのではなく、1~2人前程度ずつ作ると、中華鍋のなかで料理があふれず、水溶き片栗粉によるとろみもつけやすくなります。
1.きくらげをボウルに入れて、水で戻す
※私が今回実際に戻した時は、20分程度でもしっかり戻りました。
2.白菜を食べやすい大きさに切る
3.冷凍エビを解凍する
4.中華鍋を温め、その後サラダ油も温める
5.まずは冷凍エビから炒め、その後白菜ときくらげも炒める
6.具材に火が通ったら、塩こしょうで味つけし、水溶き片栗粉でとろみをつける
7.皿に白米を盛り、その上に中華丼の具材をのせて、完成です!
試食と感想

出来上がった中華丼の画像を見てもわかると思うのですが、水で戻したきくらげが思ったよりも大きくなってしまいました。見栄えの事を考えると、水で戻した後、面倒でも料理ばさみできくらげをカットするべきでした。
また、この中華丼を作る時、私は相当お腹が空いていたため、ブログのためのネタ作りの他に、単に私自身のお腹も満たす目的も含まれてしまっており、中華鍋の大きさに見合わない量の具材を入れてしまいました。そのため、あまり上手くとろみをつける事が出来ませんでした。
なんだか言い訳ばかりの「齋藤瞬のチャレンジクッキング」になってしまった今回ですが、肝心の料理の味はというと、意外と美味しく出来上がっていました。きくらげの食感も良く、白菜と冷凍エビも食べ応えがありました。塩こしょうの加減が良かったのもあると思われます。
きくらげの良さを活かした料理は、他にもまだまだあるので、今後もきくらげ料理作りにチャレンジしていきたいと思います。
参考文献
・一般社団法人 農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科 第4巻 乳・肉・卵,昆虫,山菜・野草,きのこ」2010年11月20日 351~353頁」
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 122、239~264頁