小松菜とは
小松菜とは、アブラナ科アブラナ属に属する野菜(葉茎菜類・緑黄色野菜)です。旬は冬ですが、現在は一年を通して手に入れられる事も多いです。おひたしをはじめとした多くの料理で楽しまれ、栄養価も高く、好まれる方も多い野菜です。
もう少し掘り下げて
小松菜は、カブナや茎立菜に近縁品種と言われています。しかし、カブナ群やアブラナ群とも違う品種で、恐らく様々なアブラナ科植物が交雑した事で誕生した可能性が高いといわれています。
小松川地方(現在の東京都に位置する)で誕生した事から、小松菜と呼ばれるようになりました。江戸の名産品である葛西菜の後に誕生したとされます。
先ほど、冬が旬とお話ししましたが、春に出回るものも美味しく、春に出回るものは「うぐいす菜」という別名で呼ばれる事もあります。
良品の選び方
※ここに挙げた特徴を持つ小松菜を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
※葉がしおれているもの、黄色く変色しているもの、打ち身やキズがあるものなどは避けた方が良いです。
・葉先がピンとしているもの
・全体的に鮮やかな緑色をしているもの
・葉先が丸みを帯びているもの
・葉が肉厚なもの
・茎が太くハリがあり、株が大きく張り出しているもの
保存方法

冷蔵の場合
湿らせたペーパータオルに包み、ポリ袋に入れ、カットしたペットボトルや牛乳パックなどに立てて、冷蔵庫の冷蔵室に保存します。この時、ペーパータオルは葉先より根元をしっかりと包んであげましょう。この方法で、約1週間保存出来る事もありますが、なるべく2~3日で使い切ってやると、美味しく食べられる事が多いです。
冷凍の場合
よく洗い、水気をしっかりと切ります。好みの大きさにカットし、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。この方法で、約1か月保存出来る事もあります。
茹でてから保存したい場合は、固めに塩茹でして、水気をしっかりと切ったら、密閉容器に入れて、冷凍室で保存します。この方法を採ると、凍ったままでもおひたしなどに使えます。
栄養素
この記事の冒頭にも表記しましたが、小松菜は緑黄色野菜に分類されます。緑黄色野菜の例に漏れず、小松菜は栄養豊富な野菜で、特にβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄を良く含みます。ここではそれらの栄養素について解説します。
β-カロテン
体内でビタミンAに変換されます。抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化予防などに役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。目の健康維持にも貢献し、ビタミンAの不足は夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。風邪をはじめとした、感染症予防にも貢献する栄養素です。
ビタミンC
肌の健康に役立つコラーゲンの生成に関わり、美肌作りに欠かせないビタミンです。抗酸化作用を持ち、風邪などの感染症予防にも貢献します。
カリウム
体内の細胞の浸透圧を適切にするのに役立ちます。体内で余分になってしまったナトリウムを体外に排出してくれる作用がある事から、高血圧や脳卒中などの予防に役立ちます。
またカリウムは、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、不足すると、不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
カルシウム
ご存じ、骨の形成に関わるミネラルです。骨の形成だけでなく、身体の生理機能の維持、心臓の鼓動の維持、筋肉や神経の活動のサポート、ホルモンの分泌や細胞分裂にも強く関わります。
鉄
赤血球のヘモグロビンに含まれ、全身に酸素を行き渡らせるのに欠かせません。不足すると
集中力の低下や、めまい、頭痛、食欲不振などを招いてしまう事があります。
健康に役立つ組み合わせ
※ここで紹介する以外にも、健康に役立つ組み合わせ(食べ合わせ)はあります。
ちりめんじゃこと組み合わせると
骨粗しょう症予防などに役立つ事があります。
トマトと組み合わせると
視力減退予防などに役立つ事があります。なお、トマトについて以下の記事で解説したので、お読み下さると嬉しいです(リンクより当ブログの別ページに飛びます)。
酢と組み合わせると
ストレス予防などにつながる事があります。
こんにゃくと組み合わせると
品種


小松菜と同じく「葉物野菜」に分類されるほうれん草に、寒さに晒す事でより美味しくなったちぢみほうれん草というものがありますが、同じようなものが、小松菜にもあります(ちぢみ小松菜)。普通の小松菜より、濃厚な味わいがするそうです。筆者はまだ試食した事がありませんが、機会に恵まれたらぜひ試食したいと思っています。
参考文献
・青葉高著 株式会社八坂書房発行「日本の野菜文化史事典(初版)2013年9月25日 170~171頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 100頁
・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 213頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 78~79頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 21頁
・足立香代子監修、kirishima・サイドランチマンガ 株式会社池田書店発行「マンガでわかる栄養学」2021年12月20日 94~97、102~103、108~109、112頁