とうもろこし―主食にだって、おかずにだって、おやつにもなります

レンジで加熱して、皮をむいたとうもろこし 果菜類
レンジで加熱して、皮をむいたとうもろこし

とうもろこしの歴史

原産地と伝番

とうもろこしの原産地は、メキシコから南アメリカ北部地域とされています。

少なくとも数千年前には栽培化され、南北アメリカ大陸において、

主要農作物として扱われてきました。

ヨーロッパやアフリカには、コロンブスや彼に続く人々によって、30~40年程度の、当時としては非常に速い速度で伝番されていきました。

アジアへの伝番

アジアへの伝番は、16世紀のはじめに、ポルトガル人がインドへ伝え、そこからチベット経由で中国に伝わりました。

また、そのルートとは別に、トルコ・イランからシルクロード経由でも伝えられています。

日本への渡来

日本にとうもろこしが伝わったのは、16世紀後半です。ポルトガル人によって、1579年に長崎から伝えられました。

その後、四国・九州・東海地方の山間部で栽培されていきましたが、この頃のとうもろこしは、「フリント種」に分類されるもので、現在多くの人が好んで食べるスイートコーンとは別のものでした。

スイートコーンの導入は、20世紀を待ちます。

1904年にゴールデンバンダム種が導入されたのがそのはしりです。

しかし、しばらくは今日のような利用はされず、

第二次世界大戦終了から少し経った、1949年に、アメリカからゴールデンクロスバンダム種が導入されて、ようやくスイートコーンは、現在と同じような扱いをされるようになりました。

良品の選び方

・皮の色が濃い緑色

・ヒゲが褐色

・実が先まで詰まっているもの

・実がふっくらツヤツヤしているもの

これらの特徴を持つとうもろこしを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

保存方法

冷蔵の場合

生のまま保存する時は、皮つきのままペーパータオルを巻いて、

保存袋に入れて冷蔵庫で保存して下さい。

ただし、とうもろこしは劣化(味が悪くなり栄養素も少なくなる)が非常に速いので、購入後すぐに食べる事を強く勧めます。「胃袋保存」ですね。

茹でたものは、

ラップに包んで、冷蔵庫で保存します。2〜3日で食べ切るのがおすすめです。

冷凍の場合

茹でて輪切りにして、ラップで包んで冷凍庫で保存しましょう。

栄養素

とうもろこしは、国や地域によっては主食扱いされます。

主食扱いされる事もあるだけあって、糖質の量が多く、野菜にしてはカロリーが高めです。

他に、とうもろこしにおいて注目すべき栄養素は、ビタミンB₁、B₂、鉄、亜鉛などがあります。

まずはビタミンB₁とB₂について、簡単にお話します。

ビタミンB₁

糖質からエネルギーを生み出すのに必要な補酵素(酵素の働きを助ける物質=コエンザイム)です。

アルコールの分解にも重要な役割を果たします。

疲労・ストレス解消に役立つ事があります。

ビタミンB₂

脂質からエネルギーを生み出す(エネルギー代謝)のに、重要な役割を果たします。

不足すると、肌荒れや口内炎などになってしまう事があります。

赤血球の数の維持に関わります。

鉄が不足すると、それに伴って赤血球の数も減り、貧血になる事があります。

そうなると、酸素を十分に運べなくなり、集中力の低下や、めまい、頭痛などを引き起こしてしまう事があります。

とうもろこしには鉄が良く含まれるので、摂取源になります。

亜鉛

味覚を正常に保ってくれる働きで、有名なミネラルです。インスリンなどのホルモンの合成、

分泌にも関わります。

健康に良い食べ合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に有効な食べ合わせはあります。

かぼちゃと組み合わせると

老化防止や認知症予防につながります。

たけのこと組み合わせると

がん予防、高血圧防止などにつながります。

モロヘイヤと組み合わせると

胃腸の働きを高める可能性があります。

もやしと組み合わせると

腎臓を丈夫にします。

また、糖尿病の予防と改善にもつながります。

品種(一部)の紹介

バイカラーコーン

見かける事が多いという方もいらっしゃると思います。

実が黄色と白の2色で出来たスイートコーンです。

ウッディーコーン

実が黄色、白、紫の3色からなっています。もちもちとした食感が特徴です。

ヤングコーン

「ヤングコーン」という独立した野菜があるわけではなく、とうもろこしの生食用品種を

若採りしたものです。芯まで食べられます。

ヤングコーンはベビーコーンとも呼ばれます。

※(「ヤーコン」はヤングコーンとは関係ない、独立した野菜です)

齋藤瞬のチャレンジクッキング

前置き

ここで私が、とうもろこしを使ったメニューを紹介します。実際に私自身が作ってみた体験記(工程・食レポ)もあります。

今回私が作ったのは「とうもろこしとオクラのバター炒め」です。

甘みが濃いとうもろこしと、色鮮やかで栄養価が高いオクラ、それらをバターで炒めて一緒に食べるという贅沢な一品となっています。

かなり簡単に作る事が出来ます。ここから、材料と工程を見て行きましょう!

※オクラについて、私が執筆した記事があります。以下にリンクをはっておくので、お読みくださると嬉しいです。

材料(食材)2~3人前

・とうもろこし・・・一本

※水煮缶を使っても良いです。

・オクラ・・・5本程度

・バター・・・お好みの量

※無塩でも有塩でも、どちらでも良いです。

・塩コショウまたはしょう油・・・お好みの量(使用しなくても良いです。特に、有塩バターを使用する場合、その塩味で十分に味がつく可能性があります)

工程

とうもろこしを茹でる、またはレンチンする

水煮缶の場合は、水気を切る。

とうもろこしを芯から外す

芯から実を外したとうもろこし
芯から実を外したとうもろこし

手を切らないように気をつけつつ、包丁で芯から実をそぎ落としましょう。

オクラを板ずりして、うぶ毛を処理します

オクラを1.5cm位に小口切りします

フライパンを熱して、バターを投入します

フライパンにバターが馴染んだら、とうもろこしとオクラを投入します

炒めているところ
炒めているところ

とうもろこしとオクラが十分に熱されたら、味つけです。

とうもろこしはすでに加熱されていますし、オクラもすぐに火が通るので、フライパンでの加熱時間は短くて済みます。火をしっかり通せるかを心配するよりも、食材に上手くバターを絡める事に、力を注ぎましょう。

8.皿に盛って、完成です!

食レポ(感想)

「とうもろこしとオクラのバター炒め」完成
「とうもろこしとオクラのバター炒め」完成

見た目はとても色鮮やかな上、とうもろこしとバターが絡み合った美味しそうな香りが漂ってきて、食べる前からその味に期待が持てました。

実際に食してみると、バターがしっかり絡んでいながら、とうもろこしの甘みも活きていて、とても美味しく感じました。また、加熱時間を短くした事により、オクラには歯ごたえがあり、食べ応えもしっかりとありました。

今回の齋藤瞬のチャレンジクッキング、無事に成功といえる結果にする事が出来ました。

参考文献

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 36頁

・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 201頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える! 野菜の教科書(初版)」2017年6月2日 44頁

・足立香代子監修 kirishima、サイドランチマンガ 株式会社池田書店発行「マンガでわかる栄養学」2021年12月20日 98~101、109~110頁

・相馬暁著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 100~105頁

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