前置き
今回執筆したのは、ナスについての記事です。ナスについて執筆した記事は、これが3つ目になります。
ナスといえば、8世紀頃に日本に伝わってきた後、多くの人に長い間愛されてきた野菜である事から、私もすぐに執筆に取り掛かろうと思っていましたが、何故か後回しになってしまいました。
しかし、一旦火がつくと、私が事を実行するのはとても早く、この記事を含めて、2週間とかからずに、ナスについてだけで3つの記事を執筆出来てしまいました。
ナスはとても料理がしやすくて、しかも美味しい。子どもの頃から好きな野菜の一つでした。
見た目においても、ただ色が鮮やかなだけではなく、あの「光沢具合」に、私は惹かれました。
そのようなナスについて、今回も、前回の記事と同様に、料理二品とコラムを世に出します。
特に、コラムについては、私独自の考えを発表するとあって、なかなかの緊張感を持って執筆しました。
「ナスとイカゲソ炒め、エコバージョン」
前置き
「私は意外な事に、ナスとイカゲソが同じ皿にのったメニューを食べた事があまりなかったな」それがこのレシピを思いつくきっかけでした。
ナスとイカゲソを油で炒めて、しょう油で味つけをすれば、美味しくなる可能性が高い。そう踏んで、今回の料理に挑戦する事にしました。
しかし、何かもう一つ具材が加わると、見た目も分量的にも、かなり華やかになるはず。そう思った私はここに、「ブロッコリーの芯」を加えてみる事にしました。
食べられるとわかっていても、捨ててしまう事も多いブロッコリーの芯を料理に使う事が出来れば、エコにもつながります。
それでは、以下より「ナスのイカゲソ炒め、エコバージョン」を紹介します。
材料(2人前前後)
・イカゲソ・・・200g程度
※今回はあらかじめ下処理がされているものを使います。もちろん、自ら処理をしたものを使ってもまったく問題ありません。
・ナス・・・小2~3個程度
・ブロッコリーの芯・・・1個(1房)分の芯
・しょう油・・・お好みの量
工程
1.ナスを食べやすい大きさに切る
※本当に美味しく、健康的に食べたいのであれば、水に5分程度さらしてアク抜きをします。しかし、アク抜きをしなくても、著しく健康が損なわれる可能性は低く、味も一定以上の美味しさは出せます。
2.ブロッコリーの芯を食べやすい大きさに切る
※本来であれば、芯の皮をむく必要がありますが、試しに皮をむかずに料理に使ってみたところ、十分に食べる事が出来ました。手間を省きたい方は、皮をむかなくても良いです。
3.イカゲソがまだ大きすぎると思われる時には、食べやすい大きさに切る
4.フライパン(中華鍋)を熱して、油をひく
5.油が熱されたら、まずはブロッコリーの芯から炒める
※芯の大きさにもよりますが、1~2分炒めます。
6.次に、ナスとイカゲソも同じフライパンに投入し、炒めます
※ナスは火が通りやすく、イカゲソもボイル処理までされているものであれば、この過程も1~2分で済みます。
7.食材に火が通ったら、しょう油で味つけします
食レポ(感想)
中華鍋を使って食材を炒めている時点で、とても良い香りがしてきました。
見た目も、ナス、イカゲソ、ブロッコリーの芯がそれぞれ個性を出しつつも、お互いを尊重し合っている感じがあって、目でも楽しめる料理になりました。
味も、しょう油がしっかりと絡んでいて、とても美味しく食べる事が出来ました。
大成功の料理になりました。
補足
見た目を華やかにしたいのであれば、食材を大きめに切ると良いです。また、しょう油だけではなく、バターも使ってみると、また美味しさが増すと思われます。
「ナスとマグロの炒め物」
前置き
ナスと、加熱したマグロを一緒に食べて、ご飯が進むおかずを作ってみたい―しかも簡単に―それが、今回のレシピにつながりました。
材料(1~2人前)
・ナス・・・小2個程度
・マグロ・・・100g程度
・大葉(青じそ)・・・1~2枚
・しょう油・・・お好みの量
工程
1.ナスを食べやすい大きさに切る
※アク抜きをした方が、より美味しくなりますが、しなくても著しい負の影響はありません。
2.大葉を千切りにする
3.マグロを食べやすい大きさに切る
4.フライパン(中華鍋)を熱して、油をひく
5.油が熱されたら、まずはナスを炒める
※油跳ねなどに気をつけて下さい。
6.ナスがしんなりしたら、マグロも投じる
※マグロは表面が茶色くなる程度の、浅い火の通し方でも十分美味しく食べられます。
7.しょう油で味つけをします
8.火を止めて、皿に盛って、完成です!
食レポ(感想)
香りも見た目も、とても食欲を誘う、優しい感じがありました。
食べてみても、ナスとマグロの旨さが混ざり合い、ご飯が進みました。
大葉の香りがある事で、口の中もさわやかな感覚がありました。
これだけ簡単におかずが作れるのは、とても便利だと思えました。
コラム―「秋ナスは嫁に食わすな」の考察
代表的な説
ナスの事が特に好きというわけではない方であっても、耳に(目に)した方が多いと思われる諺(ことわざ)に、「秋ナスは嫁に食わすな」というものがありますね。しかし、何故こういわれるようになったのか、多くの研究者の努力で日々研究されていますが、未だにはっきりとしていません。
その上で、代表的な説として「そんな美味しい物(秋ナス)を嫁に食わせるのは勿体ない」という、嫁に対して意地悪をしようとする説と、「美味しいからと食べ過ぎて身体を冷やす(ナスを食べると、身体が冷える事があります)と、出産が上手く行かなくなる事や、そもそもお嫁さんの体調が悪くなってしまうから」という、嫁を気遣う説の2つがあります。
どちらの説も、ナスの特徴をよく捉えた上で、「嫁」というものに結び付けていたので、かなり説得力を感じました。
しかし、私の中では「あと一つ何か足りない感じ」があって、私は、答えは別のところにあるのでは、と思い始めるようになりました。
相馬暁先生の説
そのような思いの中で、ある日、興味深い説を見つけました。
それは相馬暁先生の著書である「新装版 野菜学入門(三一書房 2006年)」147~148頁に記載があるのですが、相馬先生の説によると、ナスには「コリン」という機能性成分が含まれていて、コリンには強壮・興奮作用があるそうです。
このコリン、強壮・興奮作用があるおかげで夏バテ防止に大いに役立つ可能性がありますが、お嫁さんが「美味しい、美味しいと」秋ナスをたくさん食べてしまうと、(オブラートに包んだ表現をすると)夜の生活が盛り上がり過ぎて大変な事になる、だから「秋ナスは嫁に食わすな」となった・・・。
筆者の考え
相馬先生の説は、すごく面白味があるだけではなく、日々野菜について研究をされてきた方だからこそたどり着けた、拡張高い説にも思えました。
従来からある二説と、相馬先生の説、これを知った上で、私がナスについて得た、ある知識を結びつけました。
それは、「ナスは様々な食材・料理方法と相性が良く、美味しい野菜ではあるが、ナスそのものには、あまり栄養素が含まれていない(ナスはその90%以上が水分で出来ています)」という知識です。
まだ、栄養学や化学分析の方法が確立するはるか昔の時点において、すでに先人たちは、「ナスにはあまり栄養素が含まれていない事を、何となくであってもわかっていたのかも」、私はそう思いました(逆に、例えばかぼちゃは、栄養豊富で風邪予防などに良いと、先人たちは見抜いていたからこそ、「冬至のかぼちゃ」という風習が出来たともいえます)。
これらの事から、「秋ナスをお嫁さんがたくさん食べたところで、お嫁さん自身にも周囲の人々にも、あまり意味をなさない」、つまり、お嫁さんに対して優しい目線で見ても、意地悪な目線で見ても、どちらにせよ意味が少ない。だから「秋ナスは嫁に食わすな」なのかな、と私は考えました。