エリンギとは
エリンギとは、ヒラタケ科ヒラタケ属に属するきのこです。原産地は、北アフリカ、ヨーロッパ~インド、パキスタン北部辺りとされています。
日本に伝来したのは1993年頃と、日本においては歴史が新しいきのこです。その調理のしやすさと、弾力ある食感があわびやマツタケといった高級食材に似ている事から、短期間で人気が広まりました。日本にエリンギは自生しておらず、流通しているエリンギは、基本的に人工栽培されたものです。
良品の選び方
※ここに挙げた特徴を持つエリンギを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
※ひだが崩れているものや、傘が欠けているものは、選ばない方が良い事が多いです。
・傘がしっかりとしていて割れていないもの
・傘の裏のひだが白く美しいもの
・軸が太くピンとしていて、しみや黒ずみがないもの
保存方法

冷蔵の場合
入っていた容器ごと保存します。または、水気を拭き取りラップで包みます。水気の付着に気をつけると、3~4日保存出来る事もあります。
冷凍の場合
食べやすい大きさに切り(裂き)、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。調理する時は凍ったまま火にかけて良いです。
ちなみに、加熱してから保存する事も出来ます。この時も冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。
手元に参考文献がないため、推測での発言になってしまいますが、生のまま冷凍でも加熱してから冷凍でも、恐らく1か月程度は保存が利くと思われます。
調理の際のポイント
石づきがついている場合はそぎ落とし、汚れやゴミは軽く湿らせたキッチンペーパーで拭いてやると良いです。きのこの多くは、水洗いすると風味が落ちます。もちろん、ナラタケなどのように弱いながらも毒を含むものは入念に洗う必要がありますが、基本的にキノコは水洗いしない方が、美味しく食べられる事が多いです。
なお、エリンギを料理する時は、きれいな形にこだわらないのであれば、手で縦に裂く事をおすすめします。包丁を使うよりも、手で裂いた方が、香りが立つ事が多いです。
※文中に登場した「ナラタケ」については、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。
栄養素

エリンギは、何か特別多量の栄養素を含んでいるわけではありませんが、一部の栄養素をほどよく含んでいます。以下で主なものを紹介します。
ビタミンB₁
糖質の代謝に強く関わるビタミンです。ビタミンB₁の適度な摂取により、疲労回復やイライラ防止などにつながる事があります。
ビタミンB₂
脂質の代謝に強く関わるビタミンです。不足すると、肌荒れや口内炎などを引き起こしてしまう事があります。
ビタミンD
骨や歯の形成に強く関わるビタミンです。摂り過ぎ(過剰症)に気をつける必要がある一方で、不足は骨粗しょう症の原因にもなり得るので、適度に摂りたいビタミンです。
カリウム
体内の細胞の浸透圧を調整する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。
またカリウムは、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
食物繊維
エリンギは不溶性食物繊維を多く含むので、適度な摂取は大腸がんや便秘などの予防につながる事があります。また、ビタミンB群に含まれるパントテン酸やナイアシンも含むので、元気な身体づくりに貢献してくれる事があります。
健康効果
※エリンギの適度な摂取は、以下に挙げる健康効果をもたらしてくれる可能性があります。
・がん予防
・高血圧の予防・改善
・整腸作用
・肥満の防止
エリンギのバターしょう油炒め―齋藤瞬のチャレンジクッキング
前置き
私は今回の料理を、身内のとある人間の家で行いました。この時私はまあまあの疲労感があり、多くの料理と比べて比較的簡単に作れる料理でありながら、その身内の人間に一部を手伝ってもらいました。身内の人間に感謝したいと思います。
そして今回、「エリンギのバターしょう油炒め」を作りましたが、そこに「ガーリックパウダーを入れてみれば」と助言をくれたのも、その身内の人間です。一人では思いつけなかったアイデアなので、この事にも感謝したいと思います。
エリンギとガーリックパウダーの組み合わせ、私はこれまで体験した事がなかったので、興味がありました。果たしてどのような味になるのか?まずは材料から見てみましょう。
材料
・エリンギ・・・お好みの量
・しょう油・・・お好みの量
・バター・・・お好みの量
・ガーリックパウダー・・・お好みの量
※分量がすべて「お好みの量」となっている事からわかると思いますが、今回の料理は、良い意味で相当アバウトに作る事が出来ます。「私は料理が苦手だけど、挑戦してみたい」と思っている方には、今回の料理はかなりおすすめです。ただし、腐ったエリンギを使わないように気をつける事と、火をしっかり通す事、その一方で焼きすぎに注意するという点は心に留めておきましょう。
工程

エリンギを手で、食べやすい大きさに裂く
先ほどもお話ししましたが、手で裂いた方が香りが良くなります。ですが恐らく、包丁でカットしても、十分に美味しく食べられると思われます。
フライパンを温め、バターを溶かす
バターを液化しましょう
バターが溶けたら、エリンギを炒める
しっかりと火を通しましょう
エリンギに火が通ったら、しょう油とガーリックパウダーも投入し、絡める
恐らくこの辺りになると、キッチンには良い香りが広がっています。
火を止めて、皿に盛りつけ、完成です!
美味しく出来ているはずです。
試食と感想

身内の人間の家の中に、とても良い香りが広がっていたのを覚えています。私にとってエリンギとガーリックパウダーの組み合わせはかなり新鮮でしたが、香りの時点で味に相当な期待が持てました。
口に運んで噛み締めると、期待通りの味を味わう事が出来ました。バターしょう油にガーリックパウダーを組み合わせても、エリンギの風味や濃厚な味は死んでおらず、むしろパワーアップしていました。率直に美味しいと思いました。
この料理は夕食で食べましたが、大変に良い夕食にする事が出来ました。同時に、今後他の料理においても、ガーリックパウダーを使ってみるという選択肢も持つ事が出来るようになりました。実りある時間でした。
参考文献
・一般社団法人農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科 第4巻 乳・肉・卵,昆虫,山菜・野草,きのこ」2010年11月20日 344~377頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 107頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 89頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 54、239~264頁