枝豆―「ビールに枝豆」は、美味しいだけでなく健康にも役立ちます

枝豆 群馬県産 果菜類
枝豆 群馬県産

枝豆とは

枝豆とは、マメ科ダイズ属に属する野菜(果菜類)です。枝豆は大豆の未熟果の事を指します。完熟した大豆は「豆類」として扱われるのに対し、未熟果である枝豆は「野菜」として扱われます。旬は6~9月頃と、夏に特に楽しめる食材です。

簡単な歴史

原産地はアジアです。アジアの中でも中国本土、東北部、東南アジア、インドなど諸説あります。大豆は太古の昔から人間に利用され、中国では約4000年から栽培されていたとされます。

日本にも中国から朝鮮半島を経て、弥生時代には伝えられていたとされます。古くは煮豆や炒り豆にして食べられました。

しかし、日本に住む人々が、いつから大豆の未熟果である枝豆を食べ始めたのかは、未だにはっきりとしていません。平安時代の書物である「延喜式」には「生大豆」の記述がありますが、これが枝豆を指すのかは、まだ明らかになっていません。江戸時代には、枝豆が食べられていたと、はっきりわかっています。江戸時代の人々は、枝豆を枝ごと持ち歩き、食べ歩く―現代のハンバーガーの食べ歩きのような感覚―という事をしていたそうです。

良品の選び方

※ここに挙げた特徴を持つ枝豆を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

※黒い斑点が出ているものは、劣化してしまっている可能性が高いです。

・出来れば枝つきのものを購入しましょう(劣化しにくいため)

・さやが鮮やかな緑色をしているもの

・ふっくらしていて、うぶ毛がびっしり生えているもの

保存方法

注意

枝豆は、枝から切り離したそばから鮮度が落ちていきます。出来る事なら購入したその日のうちに食べ切りましょう。以下で紹介する、冷蔵・冷凍保存をする場合は、手早く処理を進めて行きましょう。

冷蔵の場合

茹でて自然に冷まし、保存袋に入れて冷蔵室に保存します。1~2日で使い切りましょう。

冷凍の場合

茹でてから自然に冷まし、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。冷ました際に、さやから外して実だけにするのも良いです。この方法で、1か月程度保存出来る事もあります。

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栄養素

枝豆 実
枝豆 実

枝豆は、栄養豊富な食材です。主に、以下に挙げる栄養素の補給源になり得ます。

たんぱく質

枝豆は野菜でありながら、良質なたんぱく質の摂取源になり得ます。たんぱく質は、筋肉や血液、骨、歯、皮膚、毛髪などを作るのに欠かせません。

ビタミンB₁

糖質の代謝に強く関わるビタミンです。適度な摂取は糖質からエネルギーを生み出すのを助けてくれるので、イライラの軽減や疲労回復などに役立つ事があります。

ビタミンC

抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の防止などに役立ちます。コラーゲンの生成にも強く関わるので、美肌作りには欠かせません。

またビタミンCは、風邪などの感染症予防にも役立ちます。

葉酸

赤血球の生成を助け、悪性貧血になってしまう可能性を下げます。

成長に必要な核酸を合成するのにも欠かせないので、妊娠中の方にも必要になる事が多いです。

また近年、葉酸に認知症や脳梗塞などになってしまう可能性を下げる働きが指摘されています。

カリウム

体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中などの予防に役立ちます。

またカリウムは、筋肉の収縮や神経の正常な情報伝達にも関わるので、不足すると不整脈やけいれんなどを引き起こしてしまう事があります。

その他

ビタミンB群の一つであるメチオニンを含んでいて、これは他の栄養素と協力しながら、肝臓のアルコール分解を助けてくれます。この事から、枝豆を食べると二日酔いになる可能性を下げてくれるといえます。「ビールに枝豆」は、実は理にかなっています。

その他、更年期症状を和らげてくれる可能性が指摘されているイソフラボン、コレステロール値下げる可能性が期待されているレシチンといった機能性成分を、枝豆は含んでいます。

健康に役立つ組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に役立つ組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

チーズと組み合わせると

認知症予防などにつながる事があります。

豆腐と組み合わせると

動脈硬化予防などに貢献します。

しらすと組み合わせると

高血圧予防などに役立ちます。

品種(一部)

枝豆とタコのバターライス
枝豆とタコのバターライス

湯あがり娘

香りが良く、後を引く甘さ、風味の濃さが記憶に残る品種です。人気が高い品種です。

サッポロミドリ

札幌伝統野菜であり、今は大変貴重な品種です。その美味しさで、人気があります。

だだちゃ豆

山形県「鶴岡地域」で作られたものしか、この名を名乗れません。貴重な品種です。

参考文献

・青葉高著 株式会社八坂書房発行「日本の野菜文化史事典(初版)」2013年9月25日 108~115頁

・相馬暁著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 67~70頁

・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 202頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 40頁

・竹下大学著 株式会社エクスナレッジ発行「野菜と果物 すごい品種図鑑(初版)」2022年7月12日 14~19頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 37頁

・名取貴光監修 株式会社高橋書店発行「新・野菜の便利帳 健康編」2021年8月30日 44~45頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 53、239~264頁

リンク

当ブログ(枝豆と同じ夏が旬の食材)

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