からし菜―そのピリ辛が、脳や身体を元気にしてくれます!

わさび菜 からし菜の品種の一つ 葉茎菜類・花菜類
わさび菜 からし菜の品種の一つ

からし菜とは

からし菜とは、アブラナ科アブラナ属に属する野菜(葉茎菜類)です。緑黄色野菜に分類されます。旬は2~4月の、冬から春にかけてという事が多いです。

簡単な歴史

からし菜は、いわゆる高菜の仲間です。高菜の原産地は小アジア、イラク南部からアラビア半島にかけての地域、中央アジアあるいはアフリカ、エチオピア高原の辺りとされます。高菜から変化したからし菜は、中国あるいは中央アジア付近で誕生したとされます。

日本にも平安時代にはからし菜がすでに渡来しており、「倭名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう。「和名抄」と呼ばれる事もあります)」という書物にも登場しています。

長い間多くの日本人に愛されてきていて、近年は白菜に比べると人気にやや陰りがあるものの、漬物の材料などとして今でも重宝されます。

良品の選び方

※ここに挙げた特徴を持つからし菜を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

・葉先までピンとしているもの

・葉の緑色が濃いもの

・みずみずしいもの

保存方法

新聞紙で包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てておきます。1~2日で使い切りましょう。

・・・・・・、というのが王道の保存方法ですが、少々しなびても良いのであれば、ビニール袋に入れて(新聞紙で包むという事がしませんでした)、冷蔵庫の冷蔵室に保存しても、1週間程度は食用に耐えうる事を、私は実際に確かめました。

あくまで私個人の見解ですが、他の葉物野菜も、「裸のまま保存」という事をしない限り、多少の栄養素の損失や見た目の悪さに目をつぶるのであれば、1~2週間は食用可というものが、意外と多いと思われます。

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栄養素

わさび菜 カットしたもの
わさび菜 カットしたもの

からし菜は大変栄養豊富な野菜です。その上、一度の食事の際に一定以上の量を食べる事も出来る食べやすさがあるので、以下に挙げる栄養素の補給源になり得ます。以下でそれぞれ解説します。

ビタミン

β-カロテン

体内でビタミンAに変わります。厳密さを欠きますが、β-カロテン=ビタミンAと考えて良いです。

ビタミンAは、抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。

また、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。その他、目の健康維持にも強く関わるので、不足すると夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。

ビタミンC

酸味がある野菜や果物に多く含まれる、というイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、酸味がないからし菜にも多く含まれます。

抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。また、コラーゲンの生成にも強く関わるので、美肌作りには欠かせません。

その他、風邪などの感染症予防にも役立ちます。

ビタミンE

強力な抗酸化作用があり、「老化抑制ビタミン」の別名を持ちます。また、血液の循環を良くし、冷え性や肩こりを改善してくれる事があります。

その他、性ホルモンの生成や分泌にも関わるので、生殖機能の維持にも役立ちます。

ビタミンK

骨を強くするのに、強く関わります。また、血液の凝固と凝固の抑制、どちらにも関わるので、ビタミンKの適度な摂取は、ケガ時の出血・内出血の程度を軽減してくれる可能性があります。

葉酸

ビタミンB群の一つです。赤血球の生成を助け、悪性貧血に陥る可能性を下げてくれます。また、正常な発育に欠かせないため、妊娠中の方に必要になる場合が多いです。

その他葉酸には、認知症や脳梗塞になってしまう可能性を下げてくれる可能性が指摘されています。

ミネラル

カリウム

体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。

またカリウムは、筋肉の収縮や神経の正常な情報伝達にも強く関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。

カルシウム

ご存じの方も多いと思いますが、骨や歯の材料です。人間の体内に最も多く存在するミネラルです。

骨や歯の材料になるだけでなく、心臓の機能調整、筋肉の収縮や弛緩、ホルモンの分泌にも役立ちます。

その他

からし菜に含まれる辛味成分「シニグリン」は、食欲を増進させてくれる上、免疫力の向上効果やがん予防にも期待されています。

健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

豚肉と組み合わせると

感染症予防などに役立ちます。

ちりめんじゃこと組み合わせると

骨粗しょう症予防などにつながる事があります。

品種(一部)

わさび菜の炒め物
わさび菜の炒め物

わさび菜

私がこの記事の写真に使ったのは、この品種です。サラダ・おひたしなどにすると美味しいです。

レッドマスタード

大型の赤葉からし菜です。幼葉をベビーリーフとして利用する事もあります。

博多蕾菜

大型からし菜の脇芽です。辛味と甘みのバランスが良く、生食しても加熱しても美味しく食べられます。

参考文献

・青葉高著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 177~184頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 102頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 13、239~264頁

リンク

当ブログ(からし菜と同じアブラナ科野菜)

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