マッシュルームとは
マッシュルームとは、ハラタケ科ハラタケ属に属するきのこです。日本名(和名)は「ツクリタケ」といいますが、日本に住む多くの人々にとってあまり良い印象を感じない名前のせいか、ツクリタケという名前はあまり広まっていません。
「マッシュルーム(mushroom)」とは本来、きのこ類、という意味ですが、日本においてマッシュルームという場合、前述のツクリタケの事のみを指します。
原産地はヨーロッパの冷温帯から暖温帯の草原地域とされています。日本には大正時代に伝来しました。
戦後、日本では大部分が缶詰めとして売られていました。生鮮品として、スーパーマーケットで売られはじめたのは、1990年代頃になってからです。
きのこを好む地域は世界に多くありますが、その地域によっては愛されても、他の地域では愛されないきのこも数多くあります(マツタケが良い例です。日本では高級品扱いされるマツタケも、ヨーロッパでは敬遠される事が多いです)。
しかし、マッシュルームは形、色、まろやかな特有の舌触りが魅力的で、温和な香りが世界中で愛されています。またマッシュルームは、きのこ類では大変数少ない、生食が可能なものでもあります。
良品の選び方
※ここに挙げた特徴を持つマッシュルームを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
・丸く厚みがあるもの
・軸が短くて太いもの
・傘が開きすぎず締まっているもの
・ホワイト種の場合、白すぎないもの(白すぎるものは漂白されていて、味が落ちている場合があります)
保存方法

冷蔵の場合
洗わずに保存袋に入れてください。2~5℃で保存すれば1週間程度保存出来る事もあります。
冷凍の場合
調理しやすい大きさにカットして、切り口にレモン汁をかけます。その後、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室に保存します。手元に参考文献がないので推測での発言になっていまいますが、この方法で、1か月程度保存が出来ると思われます。
アドバイス
マッシュルームに限らず、きのこ類は基本的に水洗いしない方が良いです。水洗いしてしまうと、風味が落ちてしまいます。汚れが気になるのであれば、軽く湿らせたキッチンペーパーで拭き取ってやると良いです。
またマッシュルームは、切ったり傷がついたりすると、かなりの短時間で褐変してしまいます。それを防ぎたい場合、料理に使う直前で切るか、すぐに使えない場合は切ったらレモン汁か酢をかけてやると良いです。
栄養素
マッシュルームは、以下に挙げる栄養素の補給源になり得ます。それぞれ解説します。
パントテン酸
「パントテン」とは、ギリシャ語で「広くどこにでもある」という意味です。その意味のとおり、多くの食品に含まれています。
それはマッシュルームも例外ではありません。パントテン酸は、三大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質)の代謝に働くほか、善玉コレステロールの合成を助けるなどの働きがあります。
カリウム
体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。
またカリウムは、筋肉の収縮や神経の正常な情報伝達にも強く関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
銅
鉄がヘモグロビンを合成する時に、鉄の吸収を助けてくれるのが銅です。鉄単体ではヘモグロビンを作る事が出来ないので、貧血予防に大変重要なミネラルといえます。
銅は他にも、活性酸素を分解する酵素などの構成成分になる事から、見えないところで身体の健康をサポートしてくれる存在といえます。
健康効果

マッシュルームの適度な摂取により、以下に挙げる健康効果を得られる可能性があります。
・高ストレス作用
・免疫力の増強
・高血圧の予防・改善
・皮膚・粘膜の保護
ホワイト種とブラウン種
ホワイト種は淡白で親しみやすく、ブラウン種はホワイト種に比べて濃厚な風味とうま味があるので、使い分けてみるのも良いかもしれません。
参考文献
・一般社団法人 農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科 第4巻 乳・肉・卵,昆虫,山菜・野草,きのこ」2010年11月20日 444~452頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 104頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 88頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 40、239~264頁
リンク
当ブログ(山菜、野草、きのこについて)
外部リンク
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