パイナップルとは
パイナップルとは、アナナス化アナナス属に属する果物(熱帯果樹=トロピカルフルーツ)です。日本産のものは沖縄県で栽培され、7~9月頃に出回る事が多いです。輸入物は一年を通して輸入されます。
その甘酸っぱさとみずみずしさから、好みの果物に挙げる方も多い果物です。
簡単な歴史


原産地はブラジルで、現地の先住民が栽培化しました。コロンブスの新大陸発見後に世界に広まり、日本には江戸時代末期に伝来しました。
世界で最も栽培されているのは、南米ギアナで発見された「スムースカイエン種」で、発見された後ハワイで盛んに栽培されました。その事から、日本で栽培されたスムースカイエン種を「ハワイ種」と呼ぶ事もあります。
日本で栽培されるのが沖縄本島北部や石垣島、八重山諸島に限られるのは、気候が適している以外に、パイナップルという果物は、酸性の土壌を好む事もあります(先述の地域は土壌が酸性である場所が多い)。
良品の選び方
※ここに挙げた特徴を持つパイナップルを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
・葉が枯れていない
・果皮の色が黄色から赤色
・お尻にカビが生えていない
・持った時にやわらかすぎない
・香りが良い
保存方法
葉をカットして、冷蔵庫の冷蔵室または冷暗所に保存。食べ切れないときは適当な大きさにカットし、ラップなどをしっかり巻いて冷凍保存。
栄養素
決して多量ではありませんが、ビタミンB₁、B₆、Cを程よく含みます。また、カリウムの摂取源にもなります。ここでは主にそれらの栄養素について解説します。
ビタミンB₁
糖質の代謝に強く関わります。適度な摂取はエネルギーを生むので、疲労回復やストレス解消につながる事があります。
ビタミンB₆
たんぱく質の代謝に強く関わります。適度な摂取は脂肪肝を防ぐ可能性があるほか、貧血予防や神経の安定につながります。
ビタミンC
抗酸化作用があり、がんや動脈硬化予防などに役立ちます。コラーゲン生成に関わるビタミンなので、美肌作りには欠かせません。その他、風邪などの感染症予防にも貢献します。
カリウム
細胞の浸透圧を調節します。体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧や脳卒中予防に役立ちます。
またカリウムは筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
その他
パイナップルに含まれるブロメラインは、胃もたれや胸やけを予防してくれる事があります。また、酸味の元であるクエン酸は、疲労回復に役立つ事があります。
健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。
パセリと組み合わせると
美肌作りなどに役立ちます。
カブと組み合わせると
胃腸を丈夫にするなどの効果があります。なお、カブについて筆者が解説しているので、以下のリンクを参考にして下さると嬉しいです(当ブログの別記事に飛びます)。
アスパラガスと組み合わせると
がん予防などに役立つ事があります。なおアスパラガスについて筆者が解説しているので、以下のリンクを参考にして下さると嬉しいです(当ブログの別記事に飛びます)。
酢と組み合わせると
血行促進、血管の若返りなどにつながる事があります。
酢豚―齋藤瞬のチャレンジクッキング
前置き
この記事の最後に、パイナップルを使った料理の紹介です。筆者が実際に料理をして、撮影もしています。
パイナップルという、果物を使った料理という事で、何か甘みのするスイーツを作る事も考えましたが、酢豚を作ってみる事にしました。
と、自分で言っておきながら何ですが、いわゆる「酢豚のパイン」が嫌いな方もいらっしゃると思います。しかし、今回の酢豚。パインを抜いても十分料理として成立するレシピになっているので、酢豚のパインが嫌いな方は、今回のレシピからパインを抜いて作ってみてください。
もちろん、酢豚のパインが好きな方は、パインを多めに入れて、より甘みを楽しんでください。なお、今回のレシピは齋藤瞬の独自色がかなり強くなっているので、いわゆる料理の基本からかなり外れている事をご了承ください。
材料(4~5人前程度)

・パイナップル・・・4分の1個程度
・大根・・・4分の1本程度
・大根の葉・・・お好みの量
・にんじん・・・2分の1本程度
・豚肉・・・300g程度
・塩コショウ・・・お好みの量
・酢・・・お好みの量
・サラダ油・・・適量
工程
1.パイナップル、大根、大根の葉、にんじん、豚肉を、食べやすい大きさに切る
2.中華鍋を熱し、サラダ油をひく
3.サラダ油が温まったら、先に豚肉を炒める
4.豚肉に十分火が通ったら、一旦豚肉をよける
5.豚肉を炒めた中華鍋を洗わずにサラダ油をつぎ足し、火にかけて温める
6.次にその中華鍋で、パイナップル、大根、大根の葉、にんじんを炒める
7.「6」で炒めた具材に火が通ったら、豚肉も入れ、よく混ぜる
8.塩コショウと酢で味つけする
9.火を止め、皿に盛りつけて、完成です!
試食と感想

試作している時に思ったのですが、酢を入れなくても、パイナップルを入れなくても、十分に「肉野菜炒め」として成立する一品だと思いました。しかしそれでは「酢豚は」成立しませんね(笑)。
実際に作り終え、皿に盛りつけ味見をしましたが、最早味見とは言えないほど、箸やご飯が進む美味しさに出来ました。ただ、たくさんの酢豚を作りたいのであれば、酢は中華鍋を何周もするほどの量を投入する必要があると思いました。酢をしっかりと利かせるのには、意外なほどの酢が必要なようです。
肝心のパイナップルですが、加熱してもその甘さは失われず、他の具材との調和もしっかり取れていて、大変美味しくいただけました。独自色が相当強い酢豚になりましたが、無事に美味しく作る事が出来ました!
参考文献
・中野瑞樹著 株式会社夢の設計社企画・編集 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツ美味しい手帳(初版)」2023年7月30日 80~83頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 167頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 239~264頁