「ぶなしめじ」とは
ぶなしめじは、ハラタケ目キシメジ科シロタモギタケ属に属するきのこです。
日本では、1978年頃に「シロタモギタケ」として栽培化され、その後、和名が「ブナシメジ」となりました。
ぶなしめじは、野生にも存在しますが、なめこなどのようにはたくさん収穫出来ず、きのこ狩りに訪れた方を喜ばせるほどの量を、一回で収穫出来る事は、あまりありません。
しかし、生産技術の向上により増産が可能になり、しかも安価、さらには多くの料理で相性が良いという点から、今では食卓に欠かせないきのこになり、全国で栽培されています。
期待されている事
ぶなしめじは、なめこの約4倍、プロビタミンD₂を含んでいます。プロビタミンD₂は、紫外線の力で、ビタミンD₂に変化します。
一般的に、ビタミンDにまとめられるビタミンD₂には、カルシウム・リンの吸収をサポートする他、骨の成長促進の効果が期待されています。
これらの事から、ぶなしめじには、骨の健康を保ち、向上する効果が期待されています。
またその他に、抗腫瘍成分のβ-グルカン、生活習慣病予防に期待されている、苦み成分のテルペン類も、ぶなしめじは含んでいる事から、多くの病気を防ぐ効果についても、期待されています。
良品の見分け方
※これらの特徴を持っているぶなしめじを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
・かさが小ぶりで黒め
・かさが開きすぎていない
・密集している
・軸がしっかりしている
・触れられる場合、ハリと弾力を感じるもの
保存方法
冷蔵の場合
パックのまま(売り場で売られている状態のまま)冷蔵しても、問題ない場合が多いです。
カットしたものの場合は、ラップで包んで、保存袋に入れて、冷蔵してください。
パックのままの場合も、カットしたものを保存する場合も、3~4日で使い切るのが望ましいです。
冷凍の場合
石づきを包丁でカットし、手で適当な大きさに小分けして、冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存して下さい。ぶなしめじの状態や、冷凍庫内の環境が良いと、この方法で、1か月保存出来る事があります。
齋藤瞬のチャレンジクッキング
「ぶなしめじと鮭のバター焼き」
※今回の料理は「料理作るのは面倒くさい、だけど美味しいものが食べたい」という方向けに作っています。そのため、普通に料理をするのに比べて、かなりアバウトな作り方になっています。
前置き
今回の料理にチャレンジする時、私はかなりアバウトな気持ちになっていました。
一応、ぶなしめじを使った料理を作りたい事は、自分の頭の中にあったのですが、手の込んだ事をする気力があまりありませんでした。
しかしその割に「美味しいものが食べたい」という、ちょっと自分勝手な気持ちになっていました。
ですが、自分自身の本音に素直になってみると、案外、良案が浮かぶものです。ぶなしめじと鮭とバターを組み合わせて、美味しいバター焼きを作ってみよう、案が浮かんでから私が取る行動は早かったです。キッチンで料理をしていました(笑)。
ですが、面倒くさいものは面倒くさい、色々な事がアバウトでした。
材料(食材)―1~2人前
・ぶなしめじ・・・1株
※スーパーマーケットなどで「しめじ(シメジ)」という名で売られているきのこの大半は、ぶなしめじです。「しめじ」と書かれているきのこを買えば、問題ありません。
・鮭・・・大きい物なら一切れ、小さい物なら三切れ程度用意しましょう
・バター・・・お好みの量(20g以上と、多めに使った方が、美味しくなります)
・塩コショウ・・・お好みの量(使わなくても良いです。特に、有塩バターを使用した場合、塩は使わずコショウだけで十分に塩味がある事もあります)
考えられる健康効果
ぶなしめじを使っているので、ビタミンDを上手く摂れる可能性があります。
また、鮭を使っているので、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンDを摂れる可能性があります。
そして、バターによって、脂質が摂れます。
これらの事から、今回の「ぶなしめじと鮭のバター焼き」を食べる事で、スタミナがつく、骨や免疫が強くなるなどの可能性があります。
工程
※繰り返しになりますが、今回はかなりアバウトな料理方法で作っています。ご了承ください。
1.石づきを包丁で取り、ぶなしめじを食べやすい大きさに手でさく
2.フライパンを用意(出来ればフタつきのもの)し、熱する
3.熱されたフライパンに、バターを投入し、なじませる
4.バターがなじんだら、ぶなしめじと鮭をフライパンに並べ、加熱する
※鮭投入直後は強火で、片面をしっかりと焼いて、うま味を閉じ込めます。
5.鮭の片面の表面が焼けたら中火にし、フタをして蒸し焼きにします
6.途中で鮭をひっくり返して、中火で蒸し焼きを続けます
7.ぶなしめじと鮭に十分に火が通ったら、お好みで塩コショウをします
8.皿にぶなしめじと鮭を盛り付け、完成です!
食レポ(感想)
アバウトに料理した割には、かなり良い見た目になりました(画像参照)。香りも良いです。
問題は味です。バターをかなりいい加減に入れたので、油でベトベトになっていないか心配でした。
しかし、その心配は杞憂に終わりました。ぶなしめじも鮭も、濃厚かつしつこさがない味で美味しい!むしろ、バターを多めに使った事が、その美味しさをさらに引き立てていました。
塩加減も丁度良くて、白米のおかずにぴったりの濃さでした。
今回は「面倒くさい」という気持ちから、使った食材までもがかなり少なくなってしまいましたが、ここにネギやにんじんなどを加えて蒸し焼きにすると、さらに美味しくなったかもしれません。
アバウトな料理をしたのにも関わらず、結果はかなり良いものが得られました。
参考文献
・一般社団法人農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科第4巻 乳・肉・卵,昆虫,山菜・野菜,きのこ」2010年11月20日 428~434頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える! 野菜の教科書(初版)」2017年6月2日 102頁
・足立香代子監修、kirishima・サイドランチマンガ 株式会社池田書店発行「マンガでわかる栄養学」2021年12月20日 94~95頁