さくらんぼ(桜桃)―宝石のように輝く、優しくてとても甘い果物

さくらんぼ(桜桃) 北海道仁木町産 核果類
さくらんぼ(桜桃) 北海道仁木町産

さくらんぼとは

さくらんぼとは、バラ科サクラ属に属する果物(核果類)です。正式な和名は桜桃(おうとう)といいます。旬は5~7月の夏という事が多く、日本産のものの大半は山形県で生産されます。

シンガーソングライターの大塚愛さんが「さくらんぼ」という曲を世に出し大ヒットしたように、愛する人も多い果物です。

簡単な説明

原産地はカスピ海や黒海の周辺とされています。19世紀頃まで、原産地付近でしか利用されませんでした。

今日のような品種改良や加工品としての利用は、ここ百数十年程度の新しい営みです。日本には明治初期に伝来しています。

良品の見分け方

※ここに挙げた特徴を持つさくらんぼを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

※実が透明っぽくなっているもの、キズがあるもの、軸が茶色っぽくなっているものは、選ばない方が良い事が多いです。

・軸が鮮やかな緑色のもの

・粒が大きいもの

・赤みが強いもの

・皮にハリとツヤがあるもの

もし許されるなら、パックの裏側も確認して、実がつぶれていないかなども確認しましょう。

保存方法と下ごしらえ

さくらんぼ
さくらんぼ

下ごしらえ

さくらんぼが美味しく食べられるのは、収穫から2~3日程度と大変短い期間です。

さくらんぼが大変デリケートな果物である事をご存じの方も多いと思います。空気に触れると水分が蒸発してしまい劣化する一方で、水分に触れると実割れが起こる事があります。

以下で挙げる保存方法を実行しつつ、食べる時は食べる直前に水洗いして食べましょう(洗ってから軸を取り除きます。これにより、栄養素の流失を最小限に防げます)。

保存方法

常温保存の場合

さくらんぼはなるべく常温保存した方が良いです。新聞紙などで包み、涼しい場所に保存しましょう。

とはいっても近年、気候変動などの影響で、常温が高温すぎる場合もあります。その場合は以下の「冷蔵の場合」を参考にしてください。

冷蔵の場合

ポリ袋に入れて、空気が触れないようにします。

手元に参考となる文献がないので、推測での発言になってしまいますが、冷蔵庫の冷蔵室よりは、野菜室で保存してやった方が、より良く保存出来ると思われます。それでも、なるべく2~3日で食べ切った方が良いと思われます。

栄養素

たとえ、「私はさくらんぼが超絶大好きです!」という方であっても、普段からさくらんぼを多量に摂る方は少ないと思われますが、適度な量を食べる事で、以下に挙げる栄養素の摂取源になると思われます。

葉酸

ビタミンB₁₂とともに赤血球の生成を助けます。不足すると、悪性貧血になってしまう可能性があります。

核酸を合成し、成長に大きく関わるので、妊娠中の方には必要となる場合がかなり多いです。

その他、認知症や脳梗塞を防ぐ可能性も指摘されています。

ビタミンC

抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。

コラーゲンの生成にも大きく関わるので、美肌作りには欠かせません。

また、ビタミンCの適度な摂取は、風邪などの感染症予防にも役立ちます。

カリウム

体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。

またカリウムは、筋肉の収縮や神経の正常な情報伝達にも強く関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。

その他

さくらんぼに含まれるりんご酸やクエン酸といった物質、さらにはブドウ糖や果糖には、疲労回復や高血圧予防などが期待出来ます。

また、はっきりとした証明はされていませんが、含まれるアントシアニンに、目の健康などを維持する可能性が指摘されています。

健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

メロンと組み合わせると

神経痛などに良い効果が得られる事があります。なお、メロンについては以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

アボカドと組み合わせると

体力回復などにつながります。なお、アボカドについては以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

品種(一部)

さくらんぼ
さくらんぼ

佐藤錦

糖分が多く生食向きです。「赤いルビー」の呼び名もある、よく名の知られた品種です。

大正時代に、佐藤栄助さんが15年以上に及ぶ長きにわたる努力により誕生させました。

アメリカンチェリー

これも有名な品種ですね。黒光りが美しい品種です。大粒な上、酸味が少なめで美味しいです。

参考文献

・社団法人農山漁村文化協会編・発行「地域食材大百科 第3巻 果実・木の実,ハーブ」2010年8月25日 57~61頁

・青髪のテツ著、わたなべみきこイラスト 株式会社KADOKAWA発行「スーパーのエキスパート店員が教える おいしい野菜まるみえ図鑑(初版)」2023年2月10日 110~111頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 149頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 171頁

・三輪正幸監修 株式会社高橋書店発行「からだにおいしい フルーツの便利帳」2018年9月5日 67~69頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 239~264頁

リンク

当ブログ(果物・果実的野菜について)

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