グリーンピース(実えんどう)―小さい実に大きな美味しさが詰まっています

グリーンピース 缶詰め 果菜類
グリーンピース 缶詰め

グリーンピースとは

グリーンピースとは、マメ科エンドウ属に属する野菜です。成熟したものは豆類に分類されますが、「えんどう豆の未熟果」であるグリーンピースは、野菜―その中でも果菜類―として扱われます。そして緑黄色野菜に分類されます。原産地は(間接的にえんどう豆の原産地を指す事になりますね)、中央アジアから中近東付近とされています。日本における旬は、4~6月頃の、春から初夏という事が多いです。

「グリーンピース」という名称を聞いて、「環境問題」を思い出す方、「政治・外交問題」を思い出す方、そして私の様に「青果」を思い出す方、様々な方がいらっしゃると思いますが、このブログでは「青果」つまり、食材のグリーンピースを扱います。

良品の選び方

※ここに挙げた特徴を持つグリーンピースを選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。

・さやつきの商品があるなら、さやつきを買って食べた方が美味しい事が多いです

・さやつきのものを買えるのであれば、「全体が鮮やかな緑色」、「さやがふっくらとしていて丸みとツヤがあるもの」を選びましょう

きれいに茹でたい場合

実にしわが寄ったとしても美味しく食べられますが、やはり見栄えが良い方が食事時間も良いものになる事が多いですよね。グリーンピースに出来るしわを少なくする方法として、鍋に水と塩少々を入れて、沸騰後中火で2~3分茹でたら、茹で汁に水を細く長く流しながらゆっくりと冷ます、という方法があります。

茹でた後に鍋ごと氷水で冷やす、という方法も良いです。どちらの方法を採るにせよ、「ゆっくり時間をかけて冷ます」というのがポイントです。

保存方法

グリーンピース
グリーンピース

冷蔵の場合

さやごと保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存します。最大4日ほど持つ事もあります。すでに茹でたものは、水につけておくと、2~3日持つ事もあります。

冷凍の場合

さやから取り出して塩茹でします。粗熱をとり水気を切って、冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。手元に資料がないので推測での発言になってしまいますが、この方法で1か月程度は保存が利くと思われます。

コラムその1―匂いの正体

グリーンピースを好む方がいる一方で、あまり好きになれない方もいると思います。あまり好きになれない方が挙げる理由として、「青臭い匂いがする」という理由を挙げる方もいると思います。

この匂いは「ヘキサナール」という成分から来るものです。グリーンピース以外の野菜にも含まれる事がある他、雑草にも含まれる事があります。ヘキサナールは揮発性である事から、少し長めに茹でてやると、青臭さを減らせる事があります。

栄養素

たんぱく質

グリーンピースは野菜でありがなら、良質なたんぱく質を含んでいる貴重な存在です。タンパク質は筋肉や血液、骨、歯、皮膚、毛髪などの組織になります。

摂り過ぎは腎臓に負担をかける、骨粗しょう症の症状を亢進させてしまう事などがある一方で、不足すると免疫力の低下により、風邪や貧血、全身疲労などを引き起こす原因になってしまいます。

β-カロテン

体内でビタミンAに変わります。抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化を予防するのに役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康維持にも必要です。

その他ビタミンAは目の健康維持にも関わるので、不足すると夜盲症などを引き起こしてしまう事があります。

ビタミンB₁

糖質の代謝に強く関わるビタミンです。適度な摂取はエネルギーを効率良く発生させるので、イライラを減らし疲労回復などにつながる事があります。

カリウム

体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出するので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。

またカリウムは、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも関わるので、不足すると不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。

食物繊維

グリーンピースは食物繊維も豊富に含んでいます。特に、不溶性食物繊維を多く含むので、グリーンピースを適度に食べると、大腸がんや便秘を予防してくれる可能性が出てきます。

健康に良い組み合わせ

※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。

セロリと組み合わせると

動脈硬化予防などにつながる事があります。なおセロリについては、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

白菜と組み合わせると

がん予防などに役立ちます。なお白菜については、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

イワシと組み合わせると

健脳効果などが望めます。

ごぼうと組み合わせると

便秘解消などに貢献する事があります。なおごぼうについては、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。

コラムその2―個人的に中立的存在

グリーンピースとむきアサリのバターライス
グリーンピースとむきアサリのバターライス

ここまでグリーンピースという食材について執筆してきましたが、私の中でグリーンピースという食材は、特に思い入れがない一方で、決して悪印象もないという、ある意味で中立的(ニュートラル)な食材です。

好き好んで食べたいという思いもない一方で、料理に入っていても嫌な気分にはならず、普通に食べる事が出来ます。

人間という動物はどうしても、何か色々と偏りが出来てしまう事を避けられませんよね。もちろん私もそのような弱い心の持ち主ですが、偏り過ぎたなと思ったら、私はグリーンピースの事を思い出して、「ニュートラルな視点」に立ち返ってみようと思います。

参考文献

・相馬暁著 株式会社三一書房発行「新装版 野菜学入門(初版)」2006年3月10日 71~74頁

・青髪のテツ著、わたなべみきこイラスト 株式会社KADOKAWA発行「スーパーのエキスパート店員が教える おいしい野菜まるみえ図鑑(初版)」2023年2月10日 28~29頁

・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 38頁

・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 25頁

・名取貴光監修 株式会社高橋書店発行「新・野菜の便利帳」2021年8月30日 42頁

・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 16、239~264頁

リンク

当ブログ(春または夏に旬を迎える食材)

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