この記事を読む事で、柿の良品の選び方、保存方法、栄養素などが学べます
柿とは
柿とは、カキノキ科カキノキ属に属する果物(仁果類)です。
昔話である「猿蟹合戦」で、柿が取り上げられるなど、古くから日本において親しまれてきました。
普通に生食すると渋くて食べられない、いわゆる「渋柿」も、渋みをぬいて食用にするなど、利用の幅が広いのも特徴です。
もっと詳しく
旬は9~11月、秋ごろという事が多いです。
古い時代に中国から朝鮮半島を経て渡来し、食用として品種改良された、カキノキ科の落葉高木です。
品種は多いですが、甘がき生産量の約80%が「富有柿」、渋柿生産量の約80%が「平核無(ひらたねなし)」という品種です。
柿は平安時代の延喜式という書物によると、天皇の食事において、甘味料の役割を果たしたとされています。
柿(かき)という和名は「赤き(赤木)」が変化し、柿になったという説があります。
柿は確かに、実も葉も赤いですね。
良品の選び方
基本的知識
※ここに挙げた特徴を持つ柿を選ぶと、良品に出会える可能性が高くなります。
・ずっしりと重いもの
・実とヘタが離れていないもの
・皮にハリとツヤがあるもの
応用的知識
なぜ、実とヘタが離れていないものの方が、良品が多いのかというと、実とヘタが離れているものは、その間に、ヘタムシなどの虫が住みついてしまっている可能性があるためです。
ヘタムシなどの虫は、果実を食害し、フンもしてしまいます。こうなると、食べるのが難しいですよね。
ちなみに、実とヘタの間の隙間の事を「ヘタスキ」と呼ぶ事があります。
保存方法

常温保存の場合
固いものも、常温に2日ほど置いておけば、柔らかくなる事が多いです。
柔らかくなったものは、早めに食べ切りましょう。
冷蔵の場合
ポリ袋に入れて野菜室に保存するという簡単なやり方でも、1週間程度保存出来る事があります。
湿らせたペーパータオルを折りたたみ、ヘタにかぶせて、1個ずつラップで包んでからポリ袋に入れ、野菜室にヘタを下にして保存するという、丁寧なやり方で保存すると、2週間程度保存出来る事もあります。
冷凍の場合
よく洗い、水気をしっかりと拭き取ります。ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。
カットしたものにも、同じ方法が使えます。
この方法で、1か月程度保存出来る事もあります。全国70農園展開中!【シェア畑】
栄養素
柿は、以下に挙げる栄養素の補給源になり得ます。
ビタミンC
抗酸化作用があり、がんや動脈硬化、老化の予防などに役立ちます。
コラーゲンの生成にも強く関わるので、美肌作りに欠かせないビタミンです。
また、ビタミンCの適度な摂取は、かぜなどの感染症予防にも役立ちます。
カリウム
体内の細胞の浸透圧を調節する働きがあります。体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。
またカリウムは、筋肉の収縮や正常な神経の情報伝達にも強く関わるので、不足すると、不整脈やけいれんを引き起こしてしまう事があります。
その他
柿に含まれるβ-クリプトキサンチンには、強力な抗がん作用が期待されています。
渋みのもとであるタンニンには、利尿作用による二日酔い防止が期待できます。
健康に良い組み合わせ
※ここで紹介する以外にも、健康に良い組み合わせ(食べ合わせ)はあります。
きゅうりと組み合わせると
利尿作用などが期待できます。なお、きゅうりについては以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。
白菜と組み合わせると
がん予防などにつながる事があります。なお白菜については、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。
大豆と組み合わせると
高血圧予防などに貢献します。
きくらげと組み合わせると
糖尿病予防などに役立ちます。なお、きくらげについては、以下のリンクを参考にしてくださると嬉しいです(当ブログの別ページに飛びます)。
品種(一部)

富有(ふゆう)
岐阜原産です。甘柿の代表種です。10月下旬から出回る事が多いです。
平核無(ひらたねなし)
庄内柿やおけさ柿として出回る事もあります。扁平で果肉はなめらか。甘みも強いです。
参考文献
・池上文雄著 一般社団法人農山漁村文化協会発行「図解 山の幸・海の幸 薬効・薬膳事典 果実・キノコ・海藻・魚介類50種」2019年5月15日 77~80頁
・中野瑞樹著 企画・編集株式会社夢の設計者 株式会社河出書房新社発行「中野瑞樹のフルーツおいしい手帳(初版)」2023年7月30日 31~36頁
・竹下大学著 株式会社エクスナレッジ発行「野菜と果物 すごい品種図鑑(初版)」2022年7月12日 124~129頁
・青髪のテツ著、ムラセセラマンガ 株式会社Gakken発行「マンガでわかる やさいのトリセツ 野菜のプロが教える選び方・保存法・無駄なくおいしく食べるコツ(初版)」2023年7月11日 232頁
・川端理香監修 株式会社宝島社発行「毎日使える!野菜の教科書」2017年6月2日 158頁
・白鳥早奈英、板木利隆監修 株式会社高橋書店発行「もっとからだにおいしい 野菜の便利帳」2020年7月10日 184~185頁
・三輪正幸監修 株式会社高橋書店発行「からだにおいしい フルーツの便利帳」2018年9月5日 106~111頁
・吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ発行「春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典最新版(初版)」2016年5月23日 119、239~264頁
リンク
当ブログ(果物関連)
外部リンク
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